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米キャタピラー、第2四半期は利益倍増 通期見通し引き上げ
[シカゴ 30日 ロイター] - 米重機メーカーのキャタピラー
また、貿易摩擦やコスト拡大に伴う業績への影響が懸念されるものの、通期の利益見通しを上方修正した。
利益見通しの引き上げは過去2四半期で2回目。産業循環や経済活動がピークに近付きつつあるとの投資家の懸念軽減の一助となった。
第2・四半期の調整後1株利益は2.97ドル。前年同期は1.49ドルだった。アナリストの平均予想2.73ドルを上回った。
通期の調整後1株利益予想は、従来の10.25─11.25ドルから11.00─12.00ドルに引き上げた。
アンプレビー最高経営責任者(CEO)はアナリストとの電話会合で、多くの市場で改善が続いていると指摘し、「受注および受注残は引き続き堅調」と述べた。
同四半期末時点の受注残は177億ドルと、前四半期から2億ドル拡大した。
キャタピラーは、貿易摩擦による事業の影響は現時点で確認していないとしつつも、米国の輸入関税により下半期の原材料コストが最大2億ドル引き上げられると予想。また、サプライチェーンの問題で輸送コストへの圧力も引き続き見込まれるとした。
ただ7月1日に実施した値上げなどで、こうした影響は相殺されるとみている。
第2・四半期の売上高は前年比24%増の140億ドル。すべての市場で2桁成長となった。
売上高の約25%を占めるアジア太平洋地域では、機器の販売が39%増。中国での建設活動やインフラ投資増加が追い風になったほか、人民元安も支援した。
エネルギー・輸送部門では、原油相場の上昇が北米での関連機器に対する需要を支えた。
石油・ガスや鉱業向け機器の需要も好調で、納入は来年まで続くとしている。
キャタピラーは同四半期に7億5000万ドルの自社株を購入。さらに、2019年1月までに最大100億ドルの自社株買いを承認したと発表した。
JPモルガンのアナリストは、投資判断を「オーバーウェート」に据え置き。業績が上向く可能性が株価に完全に織り込まれていないと指摘した。
キャタピラーの株価は午後の取引で約1.3%安。決算を手掛かりに、寄り付き前には3%超上昇する場面もあった。貿易摩擦やコスト増を巡る懸念から、株価は1月以来約18%値下がり。前月には昨年10月以来の安値を更新した。
*内容を追加しました。