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米2月住宅着工7.0%減、集合住宅落ち込む

2018年03月16日(金)23時59分

3月16日、2月の米住宅着工件数は年率換算で前月比7.0%減の123万6000戸と、市場予想の129万戸を下回った。写真は2017年7月、コロラド州の住宅建設現場を撮影(2018年 ロイター/Rick Wilking)

[ワシントン 16日 ロイター] - 米商務省が16日発表した2月の住宅着工件数(季節調整済み)は年率換算で前月比7.0%減の123万6000戸と、市場予想の129万戸を下回った。集合住宅が落ち込み、全体水準を押し下げた。

1月の着工件数は当初発表の132万6000戸から132万9000戸へ小幅に上方改定された。

着工件数の先行指標となる建設許可の件数は2月に5.7%減の129万8000戸となった。

2月の落ち込みは、月々の変動が大きい集合住宅が主な要因だったものの、住宅市場全体が勢いをなくしてきているもようだ。ここ数カ月、中古・新築住宅販売は低迷している。供給不足から住宅価格が上がる中、一部の初回購入者が手を出せない状況となっているためだ。住宅価格の上昇率は2017年12月に6%を超えた。

住宅ローン金利も上昇している。連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)によると、30年固定住宅ローン金利は平均4.44%と、4年ぶりの高水準である4.46%に近づいている。

ただ底堅い労働市場が住宅市場を下支えしている。失業率が17年ぶりの低水準である4.1%まで改善している中でも、年間の賃金の伸びは3.0%を超えない状態が続いているものの、労働市場の引き締まりに伴い、賃金の伸びが加速するとの見方が高まっている。

住宅着工件数の内訳は、市場で最も大きなシェアを占める一戸建て住宅が2.9%増の90万2000戸だった。地域別では北東部と南部、西部で増加した一方、中西部では減少した。集合住宅の着工件数は26.1%減の33万4000戸と、17年9月以来の低水準だった。

許可件数の内訳は、一戸建て住宅が0.6%減の87万2000戸だった。許可件数の勢いが着工件数を下回っていることから、一戸建て住宅の建設は今後数カ月間で勢いが鈍化するとみられる。集合住宅の許可件数は14.8%減の42万6000戸だった。

2月の建設完成件数は7.8%増の131万9000戸と、08年1月以来の高水準だった。一戸建て住宅の完成件数は08年3月以来の高水準だった。

建設中の一戸建て住宅は2月に50万1000戸に上り、08年6月以来の高水準となった。供給不足をいくぶん解消し、住宅価格の上昇を抑制するとみられる。

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