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欧州市場サマリー(29日)

2017年12月30日(土)05時03分

[29日 ロイター] - <ロンドン株式市場> 今年の取引最終日のロンドン株式市場は続伸し、過去最高値をつけて取引を終えた。鉱業と金融株などの景気循環株が好調だった。この日は短縮取引だった。

中型株で構成するFTSE250種<.FTMC>も0.41%上昇し、過去最高値を更新した。

金属の原資産価格に左右される鉱業株は、銅が4年ぶりの高値圏で推移する中で値を上げている。この日はグレンコアとBHPビリトン、リオ・ティントが1.2%から2.2%上昇した。また、金相場の上昇に伴い金・銀生産のフレスニロと産金大手のランドゴールド・リソーシズが2.8%と2.1%それぞれ値を上げた。

鉱業株は今年、FT100種で最も好調な部門だった。アントファガスタは累計で49%近く、グレンコアは41.6%上昇した。

パーシモンやバークレー・グループなどの住宅建設株も大きく持ち直した。2016年は、6月に実施された英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)を問う国民投票があり、その直後に株価が急落していた。

バーテックス・キャピタルの上級アナリスト、ジャスパー・ライマース氏は「住宅建設と金融株に目をつけている。住宅建設株は政府の政策が追い風となり、金融株は金利上昇が買い材料だ」と述べる。

FT100種は今年、約7.6%上昇した。16年はポンド安が追い風となり約14.4%上昇していた。中型株のFTSE250種は今年、約14.7%上昇。個別銘柄では銅生産カザフミスと鉄鉱石用ペレットメーカー、フェレクスポが約150%と124%、それぞれ急騰した。

ロンドン株式市場:[.LJP]

<欧州株式市場> 今年の取引最終日の欧州株式市場は小幅続落して取引を終えた。ただ今年はハイテクと資源株が好調だったことから、STOXX欧州600種指数<.STOXX>は年間ベースで約7.7%高と2013年以来の大幅な値上がりとなった。

この日はイタリアの主要株価FTSE・MIB指数<.FTMIB>が1.21%低下し、約16週間ぶりの安値をつけた。イタリアのマッタレラ大統領が28日に議会を解散し、来年3月4日の総選挙が決まったことが重しとなった。

欧州株式市場は17年、総じて好調だった。底堅い企業利益や景気が追い風となったほか、著しい政治的危機もなかった。ドイツのクセトラDAX指数<.GDAXI>は約12.5%高、イタリアの主要株価FTSE・MIB指数<.FTMIB>は約13.6%高と、値上がりが目立った。

18年の見通しについて投資家らは前向きな見方を保っているが、ユーロが一段と値を上げ企業利益を圧迫する可能性や政治的リスクが経済成長を抑制する恐れがあると指摘する。

17年の部門別では、テクノロジー株指数<.SX8P>が20%近く値を上げ、最も大幅に伸びた。続いて資源株指数<.SXPP>が好調で、同様の伸びを示した。個別銘柄ではオーストリアの半導体メーカーAMSが約208%高と、STOXX欧州600種指数で最も大幅に値を上げた。

一方、通信株指数<.SXKP>と小売株指数<.SXRP>、メディア株指数<.SXMP>は

欧州株式市場:[.FJ]

<ユーロ圏債券> イタリア国債利回りが上昇し2カ月ぶりの高水準をつけた。マッタレラ大統領は議会を解散し、来年3月4日に総選挙が実施される運びとなったが、選挙後の議会は絶対多数政党不在の「ハングパーラメント」となる見込みで、政治的な不安定や市場の混乱を招くのではないかとの見方が広がった。

INGのストラテジストは「欧州連合(EU)に懐疑的な政権が発足するリスクは1年前と比べて低いものの、選挙が近づくにつれ、スプレッドはさらに拡大する可能性がある。イタリアは高水準の債務を抱え、構造的な低成長に陥るなど、長期的な見通しは依然厳しいことを忘れるべきでない」と述べた。

イタリア10年債利回りは一時6ベーシスポイント(bp)上昇し、10月下旬以来の2%台乗せとなった。その後は1.99%で推移。ドイツ10年債利回りとの利回り格差は153bpと、10月下旬以来の水準に拡大した。

ドイツ10年債利回りは0.445%と2カ月ぶりの高水準。ドイツの12月の消費者物価指数(CPI)速報値は、EU基準(HICP)で前年比1.6%上昇し、市場予想の1.4%を上回ったほか、2017年通年では5年ぶりの高い伸びとなった。域内の経済成長が拡大する一方で、物価の伸びはとりわけエネルギーを除くベースで成長に追いついていない。

ユーロ圏金融・債券市場:[DE/BJ]

ロイター
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