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インフレ確実に加速するまで利上げ見送りを=米セントルイス連銀総裁

2017年06月24日(土)05時14分

6月23日、米セントルイス地区連銀のブラード総裁はFRBはインフレ率が確実に目標の2%に向かうとの一段の確信が得られるまで追加利上げを見送るべきとの認識を示した。写真は2016年10月、ワシントンのFRB(2017年 ロイター/Kevin Lamarque)

[ナッシュビル(米テネシー州) 23日 ロイター] - 米セントルイス地区連銀のブラード総裁は、米連邦準備理事会(FRB)はインフレ率が確実に目標の2%に向かうとの一段の確信が得られるまで追加利上げを見送るべきとの認識を示した。

米成長率も2%程度にとどまっており、トランプ政権による経済政策が早期に成長押し上げにつながるとは見込みにくいと指摘。検討されている税制改革や規制緩和により顕著な経済効果が出るのは、「早くても2018年下期から2019年にかけて」との見方を示した。

FRBは12月まで追加利上げを見送ると見込まれているが、一方で、バランスシート縮小に向けた一歩を踏み出す可能性がある。

ブラード総裁は、9月会合でバランスシート縮小開始を決定する「明確な可能性がある」と言明した。足元のインフレ鈍化に加え、バランスシート政策変更の可能性を合わせると、FRBが一段の政策変更を見送る根拠が強まる。

総裁は「足元のインフレ指標は想定外に下振れしており、インフレ率が確実に目標に回帰しているとの見方に疑問を投げかける」とした上で、「FRBは政策金利の一段の調整に踏み切る前に、経済の成り行きを見守ることが可能だ」と述べた。

先週公表の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明では、FRBが注視するインフレ指標が1.5%に低下したことへの懸念が示されたほか、その後のFRB当局者発言も、インフレ鈍化の長期化を不安視する向きと、金融緩和の解除を継続すべきと考える向きとの間で意見の隔たりが目立っている。

ブラード総裁は、4.3%に低下している失業率が、理論的にはインフレを今後押し上げる見込みで利上げの根拠になり得るとしながらも、実際には早期にそうした状況になることを示す証拠はほとんどないと指摘。「米インフレ率は近く大きく上昇するか? 現在の失業率とインフレとの関係に関する予測に基づくと、答えはノーだ」とした。

ブラード総裁はこれまで、米経済は低インフレ・低成長の状態に陥っており、これを克服するまでは利上げは不要との立場を示している。

*内容を追加しました。

ロイター
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