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かんぽ生命、リスク性資産の保有割合10%前倒し達成へ=下期運用計画

2016年10月26日(水)14時57分

 10月26日、かんぽ生命の2016年度下期の資産運用計画は、円金利資産の残高を圧縮する一方、収益向上に向けてリスク性資産を拡大する。写真は東京証券取引所で昨年7月撮影(2016年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 26日 ロイター] - かんぽ生命<7181.T>が26日発表した2016年度下期の資産運用計画は、円金利資産の残高を圧縮する一方、収益向上に向けてリスク性資産を拡大する。同社は17年度までの中期経営計画で総資産に対するリスク性資産の保有割合を10%程度まで拡大すると掲げているが、このまま低金利環境が続けば、16年度末に前倒しで到達する見込みだという。

低金利環境の中、安定的な収益を確保できる運用体制を構築していく。円金利資産は抑制する方針。日本国債は、上期、金利が反発したところで必要額を購入したといい、下期も必要最低限分の投資に抑える。

為替ヘッジ付外債は上期に続いて積み増す予定。「ヘッジコストが上昇しているので機動的に残高を調整していきたい」(奈良知明執行役・運用企画部長)という。

オープン外債は、上期に保有資産の入れ替え売買を中心としたポートフォリオの調整を行っていた。下期の残高は横ばいとなる見通しだが、為替が円高に振れた場合は積み増しを検討するという。

株式の残高は増加を見込む。割安局面に投資するスタンスで、市況を踏まえて機動的に対応する。下期からは高配当銘柄など中心に自家運用を始める予定。

オルタナティブも投資増を見込む。上期はバンクローンへの投資を始めたが、下期については、プライベートエクイティやヘッジファンドなどにも、機会があれば投資拡大を考えているという。

サウジアラビアとソフトバンクグループ<9984.T>が立ち上げる予定の巨大ファンドについては、現時点で投資対象かどうかは言えないとしつつも、「投資対象になり得る内容であれば前向きに検討することはある」(運用企画部の運用計画課長、福嶋亮介氏)という。

下期も引き続き組織の態勢強化に取り組む。資産運用に関連する社員は10月1日時点で130人だが、外部人材の採用などで年度末までに140人体制とする。

2016年度下期の相場見通し(レンジと年度末)は以下の通り。

日本国債10年物利回り ▼0.2―0.1%(年度末▼0.1%)

米10年債利回り    1.5─2.0%(同1.6%)

日経平均        1万5000─1万9000円(同1万7000円)

ドル/円        95―110円(同100円)

ユーロ/円       105―125円(同115円)

*内容を追加します。

(杉山健太郎 :編集 橋本俊樹)

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