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鉱工業生産、6月は予測上回る上昇、先行き回復計画に円高の足かせ

2016年07月29日(金)10時56分

 7月29日、経済産業省が発表した6月鉱工業生産指数速報は前月比1.9%上昇した。ロイターの事前予測調査では前月比0.7%上昇と予想されていたが、発表数値は予想を上回った。4─6月期は前期比横ばいとなった。写真は川崎市で2009年4月撮影(2016年 ロイター/Kim Kyung Hoon)

[東京 29日 ロイター] - 経済産業省が29日発表した6月鉱工業生産指数速報は前月比1.9%上昇し、予測を上回る増産となった。世界経済の持ち直しで輸出数量が伸びたことなどが背景とみられる。7、8月の生産計画を示す予測調査ではも2%を超える上昇が続く見込みとなっている。経済産業省は生産の基調判断を「一進一退だが、一部に持ち直し」に上方修正した。ただ円高基調が足を引っ張り、計画通りの増産を阻害する可能性も指摘されている。

ロイターの事前予測調査では6月生産の前月比0.7%上昇と予想されていたが、発表数値は予想を上回った。5月の2.6%の落ち込んだ分を取り戻すまでにはいかなかったが、4─6月期を通して前期比横ばいとなり、2四半期連続の減産は何とか回避できた。

増産への寄与が大きかったのは乗用車で、普通乗用車や自動車部品が押し上げた。2月の関連工場火災や熊本地震によるサプライチェーン寸断といった事態からの挽回生産も寄与したものと見られる。このほか、化学で夏物化粧品などが押し上げたほか、橋梁や半導体集積回路も上昇に寄与した。

出荷は前月比1.2%上昇、在庫は横ばいだった。

生産予測指数は7月が前月比2.4%上昇、8月が同2.3%の上昇となり、夏場は増産計画となっている。7月は前月時点の予測調査より上方修正された。これは消費税8%への引き上げ前の駆け込み需要以来のこと。電子部品や同製造用の機械類、自動車関連の情報通信機械などが増産計画となっている。

SMBC日興証券のチーフマーケットエコノミスト・丸山義正氏は生産持ち直しについて「世界経済の循環的な持ち直しによる恩恵」を背景に上げるが、「円高が阻害し、生産予測が示唆するような大幅な増産までは期待できないだろう」とみている。

*内容を追加します。

(中川泉 編集:吉瀬邦彦)

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