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トヨタに初の外国人副社長と女性役員、グループ企業からも役員 

2015年03月04日(水)20時23分

 3月4日、トヨタ自動車は、欧州法人の社長を務めるディディエ・ルロワ専務役員を取締役副社長に昇格させる人事を発表した。デトロイトで1月撮影(2015年 ロイター/Mark Blinch)

[東京 4日 ロイター] - トヨタ自動車<7203.T>は4日、4月以降の新役員体制を発表した。欧州法人トヨタ・モーター・ヨーロッパ社長のディディエ・ルロワ専務役員(57)を副社長に昇格させる。6月の株主総会で正式決定する。

北米の統括管理会社トヨタ・モーター・ノース・アメリカ(TMA)の上級副社長兼チーフ・コミュニケーション・オフィサー(CCO)を務めるジュリー・ハンプ氏(55)、米国トヨタ自動車販売の上級副社長でTMAのチーフ・リーガル・オフィサー(CLO)のクリストファー・レイノルズ氏(52)がともに常務役員に4月1日付で就任する。

現在6人いるトヨタの副社長は経営上の意思決定において大きな役割を果たしているが、外国人が副社長に就くのは初めて。女性の役員も同社として初となる。事業のグローバル化とともに顧客の多様化が進む中、役員にも多様な人材を積極的に登用することが必要と判断した。

ルロワ氏は1982年に母国フランスのナンシー工科大学を卒業後、仏ルノーに入社。1998年にはトヨタの仏生産子会社に移り、同子会社社長などを歴任し欧州部門トップとしてトヨタをけん引してきた。2007年に常務役員、12年から専務役員を務めている。株主総会後は代表権のある取締役にも就任予定。

米国出身のハンプ氏は今後もグローバルでの広報・渉外部門を統括する。広報部門のキャリアが長く、「ペプシコーラ」で知られる米ペプシコ<7203.T>のCCOや米ゼネラル・モーターズの欧州地域でのコミュニケーション部門副社長を務めた経験がある。

レイノルズ氏はアフリカ系米国人で、これまで主に法務を担当しトヨタを支えてきた。2007年にトヨタに入社する以前は、米国連邦検事局での経験を持つほか、米モルガン・ルイス&バッキアス法律事務所のパートナーを務めていた。

現在トヨタには会長から常務役員まで取締役を含めて57人いるが、このうち外国人は社外取締役1人を含む7人。新体制では58人のうち9人が外国人となる。

一方、副社長の役割も変更する。これまでは執行責任者として担当組織の業務執行を統括してきたが、新体制では意思決定の迅速化のためその役割を専務以下の役員に委ね、副社長は中長期での経営上の意思決定と執行監督に集中する。

<グループ企業からも役員迎え入れ>

トヨタは主要グループ企業からも役員を初めて迎え入れる。専務役員にアイシン精機<7259.T>の水島寿之副社長が、常務役員にデンソー<6902.T>の奥地弘章常務役員が4月1日付で就任する。現在、水島氏は生産系、奥地氏は技術系の役員で、グループの連携を強化する。

これまでトヨタはグループ各社に役員らを送り込んでいたが、グループ企業から役員を招へいするのは異例という。今回の人事でトヨタの副社長を退任する伊原保守氏はアイシン精機の社長就任が内定している。

*情報を追加して再送しました。

(白木真紀)

ロイター
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