コラム

韓国人がなんでもかんでも日本のせいにする理由

2022年09月30日(金)18時55分
日韓関係

ILLUSTRATION BY AYAKO OCHI FOR NEWSWEEK JAPAN

<これはジョークか、現実か。韓国の尹政権は「未来志向」を強調しているが......>

【諸悪の根源】
韓国の政治家たちが集まり、日本について議論していた。

「私たち韓国人は、なんでもかんでも日本のせいにしてしまう傾向があるのではないか。この悪癖の原因は何であろう?」

政治家たちはいろいろと意見を交わしたが、やがて以下のような一つの結論が導き出された。

「この悪癖の原因は日本にある」

◇ ◇ ◇

2022年5月に発足した韓国の尹錫悦(ユン・ソギョル)政権。日本との「未来志向的な協力関係」を強調するなど、前政権との違いをアピールしている。

しかし尹大統領が主張しているのは、1998年に当時の金大中大統領と小渕恵三首相によって出された日韓共同宣言の継承。同宣言とは、日本側の「反省とおわび」が示されたものである。

韓国側としては「日本にはずっと反省とおわびをしていてほしい」のが本音であろう。

ただし、韓国では近年、若年層を中心に、自国の歴史教育に疑問を持つ人たちが少しずつ増えているようだ。冷静な議論ができるような環境が整っていくことを願う。

それにしても、小生が興味深く感じるのは、「韓国ジョーク」に対して過敏に反応する人たちが日本国内の一部に存在することである。

私はこれまでにアメリカや中国はもちろん、ロシアやヨーロッパ諸国、アラブ諸国などをネタにしたさまざまなジョークを紹介してきた。それぞれの国民性や民族的メンタリティーを笑うエスニックジョークは、世界のどこにでもある人気のカテゴリー。

しかし、韓国ネタのときだけ、不思議と過激に反応する人たちがいる。

その人たちの主張は「弱者を笑うな。風刺は強者に向けろ」。この主張自体には一定の真理があると思うが、私は率直に言って、現在の韓国を特段の「弱者」として見ていない。ごく対等の隣国として認識している。だからこそ、ジョークの対象となって当然だと考えている。

世界中、例えばフランスとベルギー、ルーマニアとハンガリー、オーストラリアとニュージーランドなど、隣国同士で「ジョークのやり合い」をしているのはむしろ至って当然のことである。

韓国ネタに対して過剰に反応する人たちこそ、かの国を下に見ているのではないか。

プロフィール
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:求人詐欺で戦場へ、ロシアの戦争に駆り出さ

ワールド

ロシアがキーウを大規模攻撃=ウクライナ当局

ワールド

ポーランドの2つの空港が一時閉鎖、ロシアのウクライ

ワールド

タイとカンボジアが停戦に合意=カンボジア国防省
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 6
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 7
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 8
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌…
  • 9
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 10
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 10
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story