イーロン・マスクが言っていない、倫理面も問われる3つの「少子化対策」
第1は、女性の育児負担を軽減すること。現代社会においても、家庭で子育ての重荷を担っているのは圧倒的に母親だ。父親も同等の負担を担う必要がある。国家と企業は、父親がもっと積極的に育児を行うよう促すための措置を講じるべきだ。
第2は、子育ての負担を社会で共有すること。都市化以前の社会では、子育ては家族だけでなく、地域コミュニティーが担っていた。出生率を高めるためには、保育園の整備や多世代同居の促進など、子育ての負担を社会で共有する政策が有効だろう。
第3は、母親の子宮ではなく体外で胎児を育てること。遠くない将来、それが技術的に可能になれば、出産に伴う女性の負担は大幅に減る。ただし、言うまでもなく、これは倫理面で大きな議論を呼ぶだろう。
これらの措置により出生率が上昇する保証はない。しかし、社会の在り方や子育ての在り方に革命的な変化が起きない限り、日本の──そして世界の──人口は減り続ける。
そう考えると、問われているのは、日本人がどのような社会の在り方を選ぶのかという点なのかもしれない。
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