「令和」の時代に日本が直面する最大の問題とは何か
地政学的観点から言えば、ある国の地理的条件と人口動態の現実は変えようがない。地理的条件に関して言えば、歴史上、日本は島国であるおかげで危機を回避できた時もあった。もしユーラシア大陸と地続きだったら、「神風」は日本を救えなかった。その半面、島国であることにはデメリットもある。資源が乏しく、ほかの国々に比べて制約も多い。
もう1つ見落とせないのは、日本が文字どおりの意味で急速に「縮小」しつつあるという点だ。日本の人口は既に減少に転じている。それは、(ほかの条件が同じだとすれば)国力をそぐ一因になる。
令和の時代が「美しい調和」の時代になるかは、現時点で分からない。人口の減少、島国という地理的制約、そしてほかの国々の経済的発展により日本の経済的地位が相対的に低下することは確実だ(その代わりに、軍事力はある程度強まるかもしれない)。
それでも、国力を決定づける5つの要素を検討すると、令和の日本は国際社会で(人口比で考えれば)大半の国より大きな影響力を振るえると自信を持って言える。
しかし、これからの世界を形づくる最大の要素は、今後も続く中国の台頭だ。日本は──そしてアメリカを含めた世界の全ての国は──その現実への対処を迫られる。
<本誌2019年04月16日号掲載>
※4月23日号(4月16日発売)は「世界を変えるブロックチェーン起業」特集。難民用デジタルID、分散型送電網、物流管理、医療情報シェア......「分散型台帳」というテクノロジーを使い、世界を救おうとする各国の社会起業家たち。本誌が世界の専門家と選んだ「ブロックチェーン大賞」(Blockchain Impact Awards 2019)受賞の新興企業7社も誌面で紹介する。
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