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ForeignPolicy.com 外交エディター24時
オバマとキューバの「かりそめの蜜月」は終わった
ここ数日、アメリカとキューバの関係が悪化している。最大の原因は12月初旬、キューバでノートパソコンの流通に携わっていたアメリカ人業者が逮捕されたことだ。南北アメリカの政治や文化に関する啓蒙活動を行うアメリカズ・ソサエティーのクリストファー・サバティーニは、事態の重要性について次のように語っている。
先月の米国際開発庁(USAID)の請負業者の逮捕劇は、バラク・オバマ米大統領が昨年4月に大々的に発表したキューバとの通信開放が実を結んでいないことの表れだ。オバマはキューバへの制裁緩和を掲げ、アメリカの企業がキューバの通信事業に参入できるようにすると語った。確かに魅力的な話だが、残念ながら大統領の指示が法案に具現化するまでに、何かが失われてしまった。
9月に継続された制裁法案は、オバマの気高い理想を後押ししなかった。キューバはご存知の通り時代遅れの島国。しかし、この国を世界と結ぶのに必要な通信インフラを米企業が販売したり敷設したりすることは禁止された。その代わりに寄付をすることは認められたが。
つまり、民間企業がこの島国を開放させるためのイニシアチブにはつながらなかったということだ。
さらに昨年12月25日の米旅客機テロ未遂事件を受けて、米政府は入国する際にさらに厳重な入国審査を実施する国を新たに指定。その中にキューバが含まれたことに対し、政府は激しく抗議している。
オバマの融和政策は、民主党のクリストファー・ドッド、バイロン・ドーガン両上院議員が辞任したことで大きな打撃を受けた。特にドッドは通商禁止の緩和を積極的に訴えてきた人物だっただけに衝撃は大きかった。
さらに新旧2人のキューバ国家評議会議長である、フィデル・カストロと弟ラウルが反オバマ的な発言をエスカレートさせていることが、両国関係が悪化しているとする報道を増やす要因となっている。
だが、オバマとキューバの蜜月そのものが誇張だったのだろう。フィデルが自身のブログでオバマの大統領選勝利を称賛したことで、多くの人たちは変化の可能性を実際よりも過大に感じてしまった(イランのマフムード・アハマディネジャド大統領ですら、1度はオバマに好意的な言葉を贈ったことがある)。
もはやカストロに政治的、経済的な改革を実行する気がほとんどないのは明らかだ。民主党の大物ジョン・ケリー上院議員を含め、米議会にもキューバとの関係正常化を自ら進めようという機運はあまり見られない。
もはやオバマが、物議を醸さずにキューバ政策を転換する方法はほとんど残されていない。キューバ系アメリカ人の渡航禁止を撤廃したり、キューバのブロガーのインタビューを受けるなどして精神的な援助を示したりするくらいだ。
それ以上を期待するのは、非現実的というものだろう。
──ジョシュア・キーティング
[米国東部時間2010年01月07日(木)15時20分更新]
Reprinted with permission from FP Passport, 8/1/2010. © 2010 by Washingtonpost.Newsweek Interactive, LLC.
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