最新記事
環境

最高にファビュラスな海洋生物たち「ファブ・ファイブ」とは?...5種類の「海のアイドル」に未来は託された

Selling the“Fab Five”

2025年3月26日(水)13時54分
デービッド・シフマン(海洋生態学研究者)
オーストラリアアシカ(Australian sea lion)

GETTY IMAGES, UWPHOTOG

<海を救うのは「マーケティング」なのか──ビジュアル重視の戦略で成功した最新海洋保護プロジェクトに注目>

見えないものを守れと言われても、人はなかなか動かない。現に科学者がいくら「空気は大事」と叫んでも、大気汚染は改善されない。

【動画で見る】最高にファビュラスな海洋生物たち「ファブ・ファイブ」

環境保護のメッセージを発信するたび、私たちは必ずそんな壁にぶつかる。

私たちの使い捨てるプラスチックが海を渡って地球の反対側に住む人や生物の命を脅かしていると言われても、たいていの人はピンとこない。コンビニで牛肉のハンバーガーを買うたびにアマゾン川流域の貴重な熱帯雨林が失われていくと聞いても、まず信じられず理解に苦しむ。

とりわけ海の生物を守ることの重要性を伝えるのは、たとえ相手が海沿いに暮らす人々であっても難しい。

「海にはどんな生き物が暮らしているかなんて、たいていの人は考えようともしない」と、アデレード大学(オーストラリア)の海洋生態学者ニーナ・ウートン(Nina Wootton)は言う。

「釣り人やダイビングの愛好家でもない限り、そもそも海中の環境を目にする機会はめったにない。見たことがなければ、海を守ることの大切さに気付けないのも当然だろう」

海の生物多様性を守る上で最大の脅威は回復不能な乱獲と生息域の減衰であり、どちらも沿岸部に暮らす人々の食料安全保障と生活に深刻な影響をもたらす。そのため、今は多くの国が海洋保護区(MPA)の創設に動いている。

これはいわば海中の国立公園で、目的は海に暮らす生物とその生息域の保護にある。

ヘルスケア
腸内環境の解析技術「PMAS」で、「健康寿命の延伸」につなげる...日韓タッグで健康づくりに革命を
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イスラエルがイラン再攻撃計画か、トランプ氏に説明へ

ワールド

プーチン氏のウクライナ占領目標は不変、米情報機関が

ビジネス

マスク氏資産、初の7000億ドル超え 巨額報酬認め

ワールド

米、3カ国高官会談を提案 ゼレンスキー氏「成果あれ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリーズが直面した「思いがけない批判」とは?
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 6
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 7
    米空軍、嘉手納基地からロシア極東と朝鮮半島に特殊…
  • 8
    週に一度のブリッジで腰痛を回避できる...椎間板を蘇…
  • 9
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 10
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 9
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 10
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中