最新記事

動物

空から大量の魚が降ってきた! 同じ町で過去30年間に4回目、謎の現象の原因は?

Fish Keep Falling from Sky Onto Same Town and Experts Aren't Sure Why

2023年2月25日(土)20時07分
ローラ・コーパー
降ってくる魚たち(イメージ画像)

写真はイメージです alkir-iStock

<オーストラリアの砂漠地帯の端に位置する町に、無数の魚が降ってきた。世界各地で観測されるこうした現象はなぜ起きるのか?>

オーストラリア北部準州(ノーザンテリトリー)の奥地にある辺境の町ラジャマヌで今月、大量の魚が空から降ってくるという奇妙な現象が起きた。州都ダーウィンから900キロメートルほど南の乾燥した大地にあるこの町では、しばしば雨ではなく、魚が降る。今回のような出来事は、過去30年間で4回目。前回は2010年に、魚が空から降り注いだ。

■【写真】道路に散らばる無数の魚...豪ラジャマヌの町に魚が降った様子

「巨大な嵐が町へと向かっているのが見えたが、ただ雨が降るだけだと思っていた」。中央砂漠地方議会のラジャマヌ選出議員アンドリュー・ジョンソン・ジャパナンカは、豪メディアABCニュースに対してそう述べた。

「ところが、雨とともに、魚も降ってきた」

その魚は、オーストラリアの固有種「スパングルドパーチ」(スズキ目シマイサキ科。学名はLeiopotherapon unicolor)であることを、クイーンズランド博物館の魚類学者ジェフ・ジョンソンが確認している。サイズは、子どもの手の平くらいだ。降ってきたのは夜間で、住民たちが翌朝起きて外を見ると、町のあちこちに魚が散らばっていた。多くはまだ生きていたという。

「水たまりに落ちて、生きながらえた魚もいる。子どもたちがそうした魚を捕まえて、ガラスのボトルやジャーに入れて飼っている」とジャパナンカは話す。

スパングルドパーチは、「スパングルドグランター」(grunterは豪固有種のイサキ科の魚)という名前でも知られており、オーストラリアではどこでも見かけるありふれた淡水魚の一種だ。体長は最大25cmだが、15cmほどのものが多い。

朝起きたら「あまり一面が魚だらけ」

スパングルドパーチが大量に降ってきた原因はわかっていない。しかし、ラジャマヌの町では少なくとも、1974年、2004年、2010年にもこの現象が起きている。2010年に降ってきたのも、今回と同じスパングルドパーチだった。

「1980年代にも、朝起きてみたら自宅前の土の道が魚だらけになっていたことがある」。当時、ラジャマヌに住んでいたペニー・マクドナルド(現在は、ラジャマヌから600キロメートル離れたアリススプリングス在住)は、ABCニュースに対してそう述べた。「一匹一匹は小さかったけれど、あたり一面が魚だらけで、とにかく驚いた」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

FRB、金利据え置き インフレ巡る「進展の欠如」指

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、FRB引き続き利下げ視野

ビジネス

〔情報BOX〕パウエル米FRB議長の会見要旨

ワールド

イスラエル軍、ガザ攻撃「力強く継続」 北部で準備=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉起動

  • 4

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 5

    ポーランド政府の呼び出しをロシア大使が無視、ミサ…

  • 6

    米中逆転は遠のいた?──2021年にアメリカの76%に達し…

  • 7

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 8

    パレスチナ支持の学生運動を激化させた2つの要因

  • 9

    大卒でない人にはチャンスも与えられない...そんなア…

  • 10

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」…

  • 9

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 10

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    「誰かが嘘をついている」――米メディアは大谷翔平の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中