最新記事

長寿

長寿の秘訣は鶏の脳みそを食べること──豪州男性として最長寿更新

2021年5月31日(月)17時05分
松丸さとみ

長寿の秘訣は、鶏の脳みそを食べることだという...... ABC News-YouTube

<オーストラリアのデクスター・クルーガーさんは5月、同国人男性として最長寿の記録を更新した>

人生でもっとも偉大な発明だと思うものは?「洗濯機」

オーストラリアのクイーンズランド州南東に位置する町ローマで暮らすデクスター・クルーガーさんは5月、同国人男性として最長寿の記録を更新した。これを記念してメディアのインタビューに答え、長寿の秘訣は、鶏の脳みそを食べることだと語った。

1910年1月13日生まれのクルーガーさんは、5月17日に111歳124日となった。これにより、それまでオーストラリア人男性として最長寿記録の保持者だった、2002年に111歳123日で亡くなったジャック・ロケットさんを追い抜き、同国でもっとも長生きの男性となった。

この111年の間には、2度の世界大戦と、2つの伝染病(スペインかぜと新型コロナウイルス)の世界的大流行(パンデミック)があった。また、クルーガーさんが生まれたころは、冷蔵庫や電話が普及する前だ。

高齢者に関する情報を発信しているオーストラリアのサイト「ザ・シニア」のインタビューに応じたクルーガーさんは、これまでの人生でもっとも偉大な発明だと思うものは?との問いに、「洗濯機」と答え、「今のこれだけの人口で、(洗濯機がなかったら)どれだけの手洗いをしなければいけなかったか、想像してみてください」と理由を説明した。

また、オーストラリア公共放送ABCによると、長寿の秘訣は、鶏の脳みそを食べることだという。「あれは小さなごちそうです。一口で食べ終わってしまうけど」と述べたという。

息子のグレッグさん(74)も、クルーガーさんの長寿は、シンプルな暮らしとバランスの取れた食生活だと考えている。健康に良い食生活というと精進料理のようなものを想像してしまうが、グレッグさんによると、クルーガーさんは塩分や糖分、油脂はたっぷり取っているという。一方で、ジャンクフードはあまり食べてこなかったようだ。

クイーンズランド州のアウトバック(オーストラリア内陸部)出身のクルーガーさんは、常に自然に囲まれて暮らしてきた。食事は主に、自分が庭や農場などで育てたものだったという。そのため、クルーガーさんの身体はジャンクフードを消化するために酷使されてこなかった、とグレッグさんは父親の長寿の理由を分析している。

86歳で本を出版、95歳まで牧場で働き103歳まで1人暮らし

オーストラリアのテレビ局セブン・ネットワークなどによると、クルーガーさんは7歳のときに父親から1頭の雌子牛を譲り受けた。以来、酪農家や獣医として、95歳になるまで自分の牧場で働き続けたという。

その後、103歳まで1人暮らしをしていたが、現在は高齢者用の介護施設で暮らしている。施設のマネージャーであるメラニー・カルバート氏はABCに対し、クルーガーさんは他の80代や90代の入居者よりも健康なうえ、一番頭が切れる人物でもある、と話した。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

岸田首相、「グローバルサウスと連携」 外遊の成果強

ビジネス

アングル:閑古鳥鳴く香港の商店、観光客減と本土への

ビジネス

アングル:中国減速、高級大手は内製化 岐路に立つイ

ワールド

米、原発燃料で「脱ロシア依存」 国内生産体制整備へ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが...... 今も厳しい差別、雇用許可制20年目の韓国

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    こ、この顔は...コートニー・カーダシアンの息子、元カレ「超スター歌手」に激似で「もしや父親は...」と話題に

  • 4

    翼が生えた「天使」のような形に、トゲだらけの体表.…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    単独取材:岸田首相、本誌に語ったGDP「4位転落」日…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    ウクライナがモスクワの空港で「放火」工作を実行す…

  • 9

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 10

    マフィアに狙われたオランダ王女が「スペイン極秘留…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 5

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 6

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中