最新記事

陰謀論

侮れないQアノンとオウム真理教の不気味な類似性

QAnon’s Attraction in Japan

2021年2月5日(金)17時00分
アレックス・シルバーマン(日本在住ライター)

オウムの教祖、麻原彰晃は1990年に衆議院選に立候補している。トランプと同様、落選したものの敗北を認めず、選挙に不正があったと主張した。

オウムは社会の主流派に無視されたが、勃興期のインターネットを武器にして人々の怒りや反感を助長し、影響力と信者数を拡大していった。その果てに、麻原は「影の世界政府」との戦争を宣言し、地下鉄サリン事件を首謀した。

Qアノンも疑似宗教的なテロリストのカルト集団であり、真剣に受け止めなければならない。ツイッターやフェイスブックが関連アカウントを停止したのは、期待の持てる一歩だ。ソーシャルメディアという場がなければ、とりわけ日本でQアノンが生き残れるかは疑わしい(岡林のツイッターアカウントは1月21日から凍結されている)。

Qアノン信奉者がこのままひっそり姿を消すとは思えない。それでもソーシャルメディアで浴びるスポットライトが消えた今、彼らは少なくとも闇の中で手探りするしかなくなるはずだ。

From thediplomat.com

<本誌2021年2月9日号掲載>

20240514issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年5月14日号(5月8日発売)は「岸田のホンネ」特集。金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口……岸田文雄首相が本誌単独取材で語った「転換点の日本」

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ドイツの輸出、今年は停滞の見通し=商工会議所調査

ビジネス

三菱重の今期、最高益を見込む 市場予想には届かず

ワールド

焦点:「反白人感情」と対決誓うトランプ氏、支持者に

ワールド

インド与党が野党・イスラム批判の動画投稿、選管が削
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    「自然は残酷だ...」動物園でクマがカモの親子を捕食...止めようと叫ぶ子どもたち

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    「真の脅威」は中国の大きすぎる「その野心」

  • 5

    いま買うべきは日本株か、アメリカ株か? 4つの「グ…

  • 6

    デモを強制排除した米名門コロンビア大学の無分別...…

  • 7

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 8

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 9

    中国軍機がオーストラリア軍ヘリを妨害 豪国防相「…

  • 10

    イギリスの不法入国者「ルワンダ強制移送計画」に非…

  • 1

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 2

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 5

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 6

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 7

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 8

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 9

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 10

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中