最新記事

英王室

ヘンリー王子の「王室引退」にヒュー・グラントがエール「男として家族を守るのは当然だ」

Hugh Grant Defends Prince Harry, Saying Press Tore Meghan Markle 'To Pieces

2020年1月16日(木)16時50分
カレダ・ラーマン

自らもタブロイド紙に追い回され戦った経験から王子を支持するヒュー・グラント(2018年1月6日) Mario Anzuoni-REUTERS

<ヘンリー王子の母はタブロイド紙に殺されたも同然で、今度は妻が八つ裂きにされているのだから当然だ、とグラントは言う>

ヘンリー王子が王室の高位メンバーの地位から退くと発表したことを受け、イギリスでは賛否両論が渦巻くなか、イギリスを代表する俳優のひとりであるヒュー・グラントが王子の決断を支持すると表明。タブロイド紙は王子の妻であるメーガン妃を不当に扱ってきた、と語った。

グラントは1月13日、自らが出演する新作映画『ザ・ジェントルメン(The Gentlemen)』のプロモーションのためにアメリカのラジオ番組に出演。番組ホストからヘンリー王子夫妻の話題を振られると、イギリスのメディアを批判した。ヘンリー王子の母であるダイアナ元妃は1997年8月、パリでパパラッチの追跡を逃れようとして自動車事故に遭い、死亡した。

「どちらかといえば、私はヘンリー王子の味方だ。彼の母親はタブロイド紙に殺されたも同然で、今は妻を八つ裂きにしているのだから」とグラントは語った。「男として家族を守るのが王子の仕事だ。だから私は彼を支持する」


グラント自身もメディアと対立

長年、メディアによるプライバシー侵害を強く批判してきたグラントは、自身とメディアの関係も「とても悪い」と語る。グラントはかつて英ミラー・グループ・ニュースペーパーズ(MGN)が「産業スパイレベルの」電話盗聴に携わったとして同社を提訴した。2018年にMGMが盗聴の事実を認めて和解に応じ、受け取った多額の和解金をメディアの権利侵害に反対する団体「ハックド・オフ」に全額寄付した。グラントはこの団体の理事のひとりでもある。

そのハックド・オフも、今回のヘンリー王子とメーガン妃の「引退宣言」を受けてコメントを発表した。

「サセックス公爵、そして特にサセックス公爵夫人は、イギリスのメディアから継続的な嫌がらせを受けてきた」と、同団体の広報担当であるハンナ・ミアンは声明で述べた。

「2人にはプライバシーを守る権利と、自分たちについて真実に基づく報道を求める権利がある。だがメディアはセンセーショナルな見出ばかり追い求め、無情にも彼らの権利を無視してきた」

さらに彼女はこう続けた。「メディアは政治に大きな影響力を持つ存在であり、私たちの民主主義を守るためにも、その行動には責任を持つべきだ。ジャーナリズムは現実を映し出し、市民に真実を伝えるものであるべきだ」

<参考記事>ヘンリー王子との結婚「考えが甘かった」と重圧を語るメーガン妃、率直な告白に大きな反響
<参考記事>英ヘンリー王子夫妻は、どうやって王室から「財政的に独立」するのか?

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

決算に厳しい目、FOMCは無風か=今週の米株式市場

ビジネス

中国工業部門企業利益、1─3月は4.3%増に鈍化 

ビジネス

米地銀リパブリック・ファーストが公的管理下に、同業

ワールド

米石油・ガス掘削リグ稼働数、22年2月以来の低水準
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ」「ゲーム」「へのへのもへじ」

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 6

    走行中なのに運転手を殴打、バスは建物に衝突...衝撃…

  • 7

    ロシア黒海艦隊「最古の艦艇」がウクライナ軍による…

  • 8

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 9

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中