人民元支援に躍起の中国当局 今秋の指導部交代前に市場安定狙う
2017年6月13日(火)08時45分
当局にとっては人民元が急落すれば、元の国際的地位を高めようとしている政府の取り組みに水を差しかねないとの心配もある。
そのため別の政策関係者は「人民銀行は、1ドル=7元を付ければ多様な手段を駆使して介入する。この水準はいわゆるレッドライン(超えてはいけない一線)だ」と語り、無秩序な元安は中国経済にも痛手になると付け加えた。
人民銀行は今後も、カウンターシクリカルな調整要素と定期的な為替介入、既存の資金流出防止策を組み合わせて人民元を支えるとみられている。
これで人民元の投機取引は難しくなるだろう。ただし、中国が最近進めてきた市場ベースの改革が目指す通貨制度の透明化は損なわれてしまうとの批判が出ている。
政策関係者の1人は「基準値見直しは以前の固定相場に一歩近づく。改革の後退という面で論争の的になっている」と認めた。
(Kevin Yao記者)
[北京 9日 ロイター]
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