最新記事

東欧

ロシア抑止に東欧で1万5000人規模の軍事演習始まる

2016年5月30日(月)17時00分
デイミアン・シャルコフ

東欧で演習中の在欧米軍部隊(2015年3月) David W Cerny-REUTERS

 米軍とNATO加盟国が、ロシアの侵攻を抑止するため東欧で大規模な軍事演習を始めた。

 NATO諸国から参加する4000人の部隊と東欧13カ国から参加する1万人の部隊が、ロシアと国境を接するバルト3国(ラトビア、リトアニア、エストニア)やポーランドに展開する軍事演習を開始した。

【参考記事】ロシアがクリミアの次に狙うバルト3国

 ロシアがクリミアを併合した2014年のウクライナ危機以降、両国近くで行われるこの合同演習の重要性は飛躍的に増大している。

【参考記事】ウクライナ危機で問われるNATOの意味

 先週金曜に始まったバルト三国の演習と連動して、米軍はドイツから400台の武装車両を率いてチェコから東欧に入り、6月までにポーランド、リトアニア、ラトビア、最後にエストニアまで移動する。

【参考記事】新冷戦へNATO軍がポーランドで軍備倍増

 演習の目的は東欧の同盟国が共同でどこまで軍事行動を行えるかを試すことだ。演習内容も実弾演習、指揮所演習、サイバー戦など実戦に近くなっている。

 多国籍軍による演習の間、米軍航空機が近くで哨戒を行い、米軍部隊はドイツからエストニアまで2200キロにおよぶ行進を行う。

 7月にポーランドで開かれるNATOサミットへ向け、厳しい演習は続く。サミットの目標は、2年以内にNATOの同盟国を1つにし、互いに戦略を調整し合うことだ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米メルク、通期業績予想を上方修正 抗がん剤キイト

ビジネス

赤沢財務副大臣「特にコメントできることない」、日銀

ワールド

中国、有人宇宙船打ち上げ 飛行士3人が半年滞在へ

ビジネス

基調的な物価上昇率、徐々に高まり 見通し期間後半は
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 5

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 6

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 7

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 10

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 7

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 8

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中