最新記事
栄養

「これ、買うべき?」日本人が信じる食品情報の真実を徹底検証

2025年1月22日(水)15時30分
松永 和紀(科学ジャーナリスト) *東洋経済オンラインからの転載
「これ、買うべき?」日本人が信じる食品情報の真実を徹底検証

caricatte -shutterstock-

<グルタミン酸ナトリウムの製法を発明した日本の十大発明家の一人とは? うま味調味料を敬遠する人の大きな勘違い>

バターはいいけど、マーガリンは健康に悪い、オーガニック食品は安心で、中国産の食品は危ない......。

ネットやテレビ、あるいは知人などの会話から、私たちは日々食品に対するさまざまな情報を仕入れ、中にはそれが “常識” となっているものもある。

しかし、私たちが盲目的に信じている食品に関する情報ははたして本当なのか。

本稿では、科学ジャーナリストの松永和紀氏著『食品の「これ、買うべき?」がわかる本』より、うま味調味料の安全性について一部抜粋・編集して、紹介する。

◇ ◇ ◇



明治時代に東大教授が発明した

うま味調味料で最も有名な製品名は「味の素」でしょう。昆布のうま味成分の研究をもとに作られた食品添加物で、さまざまな加工食品に用いられていますし、家庭でも用いられています。

「いえ、我が家は使っていません」と言われるかもしれませんが、粉状のだしの素や液体だし、めんつゆなどは使っているのでは? 

実はこれらの製品の多くにも、かつおぶしや昆布などと共にうま味調味料が使われているのです。パッケージの添加物欄に、調味料(アミノ酸等)として記載されています。これら以外の多数の加工食品にも用いられています。

100年以上前に、池田菊苗・東京大学教授が昆布を研究していて、グルタミン酸がうま味の素であり、ナトリウムと結合させるとうま味が強くなり扱いやすくなることを見出しました。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

日米首脳「USスチールは買収でなく投資」、米産LN

ワールド

アングル:16歳未満のSNS禁止する豪、ユーチュー

ワールド

北朝鮮、核兵器は「交渉材料ではない」=KCNA

ビジネス

米国株式市場=下落、貿易戦争巡る懸念で 精彩欠く雇
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:中国経済ピークアウト
特集:中国経済ピークアウト
2025年2月11日号(2/ 4発売)

AIやEVは輝き、バブル崩壊と需要減が影を落とす。中国「14億経済」の現在地と未来図を読む

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 2
    Netflixが真面目に宣伝さえすれば...世界一の名作ドラマは是枝監督『阿修羅のごとく』で間違いない
  • 3
    「嫌な奴」イーロン・マスクがイギリスを救ったかも
  • 4
    研究者も驚いた「親のえこひいき」最新研究 兄弟姉…
  • 5
    戦場に響き渡る叫び声...「尋問映像」で話題の北朝鮮…
  • 6
    賃貸住宅の「床」に注意? 怖すぎる「痕跡」を発見し…
  • 7
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 8
    睡眠中に体内は大掃除されている...「寝ているあいだ…
  • 9
    なぜ「ファスティング」は「筋トレ」と同じなのか? …
  • 10
    ドイツ経済「景気低迷」は深刻......統一後で初の3年…
  • 1
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 2
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」を予防するだけじゃない!?「リンゴ酢」のすごい健康効果
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 5
    「体が1日中だるい...」原因は食事にあり? エネルギ…
  • 6
    教職不人気で加速する「教員の学力低下」の深刻度
  • 7
    戦場に響き渡る叫び声...「尋問映像」で話題の北朝鮮…
  • 8
    足の爪に発見した「異変」、実は「癌」だった...怪我…
  • 9
    Netflixが真面目に宣伝さえすれば...世界一の名作ド…
  • 10
    マイクロプラスチックが「脳の血流」を長期間にわた…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 5
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 6
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀…
  • 7
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 8
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 9
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 10
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中