最新記事
セレブ

英女優に客が物を投げつけ「顔に直撃」...繰り返される危険行為は「SNSで有名人が身近になったせい」と専門家

Florence Pugh Fan Attack Sparks Outrage

2023年12月9日(土)20時19分
ビリー・シュワブ・ダン

それだけではない。6月には、ポップスターのビービー・レクサがニューヨークで公演していたときに、27歳の男から携帯電話を投げ付けられ、目の上を負傷した。この男は暴行罪で起訴された。レクサは公演を取りやめ、その後、負傷した箇所をインスタグラムで公開した。

この件で起訴されたニコラス・マルバーニャは、現場に駆け付けた警官に対して、携帯電話を投げ付けたことを自白し、「ショーの最後に、携帯電話を彼女に命中させたら面白いと思った」と語ったと報じられている。

スウィフトは11月12日、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスでの公演中、物を投げるのをやめるようファンに呼び掛け、この憂慮すべきトレンドに言及した。「ザ・エラス・ツアー」と名付けられたコンサートツアーで、アルバム「エヴァーモア」の曲を歌っているとき、ステージ上にいたスウィフトから近い場所に「プレゼント」が投げ込まれた。スウィフトは演奏を止め、観客に語り掛けた。SNSに投稿された動画には、その一部始終が映っている。

スウィフトは、ピアノの椅子に座ったまま、「コミュニケーションとは、やさしくて健全な境界線を持つこと。ステージに物が投げ込まれるのは本当に怖い」と語った。「ステージに物があると、ダンサーがつまずくかもしれません。プレゼントを持ってきてくれることは本当にうれしい。でも、どうかステージには投げないで。私はみんなのことが大好きよ!」

自分には好きに行動する権利があると勘違い

マンハッタンに本拠を置く、エンターテインメントとスポーツを専門とする法律事務所サルツァーノ・エッティンガー・ランパート・ウィルソンのマネージングパートナー、フランク・サルツァーノは、有名人に関連するこのような事件が増えていることについて、ファンが有名人を「身近」に感じるようになったことが原因だと考えている。

サルツァーノは本誌に、「ファンたちは、ソーシャルメディアを通じて大好きな有名人と24時間365日つながっており、それがこうした現象の原動力になっている」と語っている。

「このような『身近さ』を感じたファンが、自分には好きなように行動する権利がある、という誤った考えを持つようになった。そしてしばしば、良識という明確な一線を越え、犯罪行為にまで発展することがある。こうした暴力的な行為の結果、コンサートの警備が強化され、規則が厳しくなる可能性が高い」
(翻訳:ガリレオ)

ニューズウィーク日本版 トランプvsイラン
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年7月8日号(7月1日発売)は「トランプvsイラン」特集。「平和主義者」の大統領がなぜ? イラン核施設への攻撃で中東と世界はこう変わる

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

消費者態度指数、6月は+1.7ポイント 基調判断を

ビジネス

仮想通貨詐欺のネットワーク摘発、5.4億ドル資金洗

ビジネス

中国中古住宅価格、6月は下落幅拡大 新築も伸び鈍化

ワールド

訂正「農業犠牲にせず」と官房長官、トランプ氏コメ発
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 2
    ワニに襲われ女性が死亡...カヌー転覆後に水中へ引きずり込まれる
  • 3
    普通に頼んだのに...マクドナルドから渡された「とんでもないモノ」に仰天
  • 4
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 5
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 6
    「パイロットとCAが...」暴露動画が示した「機内での…
  • 7
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 8
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    顧客の経営課題に寄り添う──「経営のプロ」の視点を…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 3
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門家が語る戦略爆撃機の「内側」と「実力」
  • 4
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 5
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 6
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた…
  • 7
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 8
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 9
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 10
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中