最新記事

教育

子どもがすぐに「ググる」のはダメなのか?

2022年8月16日(火)11時15分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

それに加えて、「でも、日本語にもいいところはあるんだよ」とか、「日本に生まれたからパパやママに会えただろ」と答えてあげればいいのです。物事にはいろいろな考えかたがあるということを、小さいうちからきちんと教えてあげましょう。そして大切なのは、「わからない」ということも、ちゃんと隠さずに正直に教えてあげることです。

「あそこに飛んでいるの、あれ蝶なの? 蛾なの?」
「色が汚いから、あれ、蛾だよ」

そんなふうに適当に答えたりしない。ハッキリしないなら、「パパには(ママには)、わからないな」と言えばいいのです。

そのうえで、「わからない」に対する答えを子どもと一緒にちゃんと出す。幸いにもいまの時代は、大学の先生に連絡する必要もなければ、百科事典に当たる必要もありません。PCかスマホが1台あれば、事足りますよね。

「ググって安易に答えを出すことはよくない」と、教育者のなかには、検索することを否定する人もいます。

けれども勤めた会社の弁護をするわけではありませんが、いまの時代の子どもたちは、すでにグーグルのある時代に生まれ落ちているのです。むしろ疑問に対して、「すぐその場で答えを探す習慣」をつけていくほうが将来にも役立つ結果となるでしょう。

「色は確かに地味だけど、止まっているときに羽をたたんでいるのが、蝶の特徴なんだってさ」
「これだ、画像検索で見つけたこれと同じだね。ジャノメチョウというそうだよ」

ググった子どもから、このように教えてもらうことこそ、親の喜びではありませんか! これがきっかけで、昆虫に、なかでも蝶に興味を持った子どもには、蝶図鑑でも買ってあげてください。

最終的に納得のいく答えを求めて探究を続けることこそが、もっとも大切なのです。ギガスクールの方針でも、先生は「答えを教える存在」ではなく、「生徒と一緒に答えを探す存在」です。

決して時間を惜しまずに、子どもと一緒に学び、親子でともに成長していく。もちろん理想と現実は異なり、子どもが親の思うように反応しないことも多いでしょう。けれども挫折せず、いつまでも一緒に考え、一緒に成長しようと努力することが大事なのだと思います。

それは子どもが2歳だろうが、すでに働いている成人だろうが、変わらないことです! ぜひ理想的な、地球人の親子関係を目指してみてください。

Googleが教えてくれた 英語が好きになる子の育てかた
 村上憲郎 著
 CCCメディアハウス

(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

FRB「市場との対話」、専門家は高評価 国民の信頼

ビジネス

焦点:利下げに向かう欧州、動けないFRB 乖離拡大

ビジネス

現状判断DIは前月比-2.4ポイントの47.4=4

ビジネス

アングル:中国、人民元安容認は一時的か 長期化で消
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必要な「プライベートジェット三昧」に非難の嵐

  • 2

    休養学の医学博士が解説「お風呂・温泉の健康術」楽しく疲れをとる方法

  • 3

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 4

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 5

    「少なくとも10年の禁固刑は覚悟すべき」「大谷はカ…

  • 6

    上半身裸の女性バックダンサーと「がっつりキス」...…

  • 7

    ロシア軍兵舎の不条理大量殺人、士気低下の果ての狂気

  • 8

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 9

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 10

    ウクライナ防空の切り札「機関銃ドローン」、米追加…

  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS攻撃「直撃の瞬間」映像をウクライナ側が公開

  • 4

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 5

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 6

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 7

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 8

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 9

    「自然は残酷だ...」動物園でクマがカモの親子を捕食…

  • 10

    翼が生えた「天使」のような形に、トゲだらけの体表.…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中