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祝・連載100回!当コラムの美味しいところを凝縮しました(パックン)

今後ともどうぞごひいきに…… malerapaso/Getty Images
<連載100回を記念して、8年分のハイライトをピックアップ。マイナンバーカードからトランプ前大統領まで、パックンの先見の明を発揮していた(けどみんな聞いてない)ことが分かりました>
みなさまのおかげです!
これはだいたい建前の決まり文句で、内心そう思っていないときの表現だよね。「風邪は治りましたか?」「はい、おかげさまで」とか、意味がわからない。相手がかかりつけ医じゃなければ意味不明だ。
しかし、今回は本音だ。このコラムがなんと100回目(!)を迎えられたこと、間違いなくみなさまのおかげです!
もちろん、書いているのは僕で、ファクトチェック、編集、レイアウト、アップロードなどをやっているのはニューズウィークのそこそこ優秀なスタッフ。だが、連載が続いているのは、皆様が読んでくれているおかげなのは間違いない。過去の99回の「成果」を見ればその意味が分かる。
「身分泥棒」はマイナンバーの未来?
例えば、振り返ると、僕は社会的なトレンドなどを先読みすることが多い。しかし、予測の外れが目立つ。2015年にさっそくマイナンバーを取り上げ、アメリカの国民番号制度がアイデンティティ・セフト(identity theft、身分窃盗=成り済まし詐欺)に使われていることを例に、制度の危険性を紹介した。日本も同じようになるかと思いきや、結局はマイナンバーカードをめぐり小さな問題が多発しているが、今のところ身分が盗まれているというような報道はない。役所での手続きによって、国民の時間が大量に奪われているけど。
これよりもひどく予想が外れたケースもある。「カマラ・ハリスは2024年のアメリカ大統領になる!」と、断言したことは、実に恥ずかしい。バイデン大統領がすでに24年の選挙への出馬表明をしているため、カマラの出番はない。しかも、立候補したとしても、コラム執筆当時に勢いづいていたカマラは、今や支持率が40%を切る失速具合。出ても選挙に勝つ希望はない。可能性があるとしたら、バイデンが亡くなり、副大統領のカマラが大統領になるという悲劇的な展開しかない。そんな予想の当たり方はいらない!
大事な問題の周知活動に挑戦するコラムも多かったが、これらも効果薄し。例えば、二重国籍を認めるよう呼び掛けたが、読者からの指摘を受けて、実は日本は二重国籍をすでに認められていることに気づかせてもらった。「よっし! コラムを通して、そのうれしい事実をみなさんに知らせよう!」と一生懸命張りきったが、未だにその知識が国民の間に広がっていない。多くの国民はおそらく二重国籍よりもNiziUの国籍に詳しいだろう。
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