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パックンが広島で考えたこと
結局、大統領はあいまいさの力を借りた。献花するときは少し頭を下げた。見る人によってはお辞儀にも見えるが、お詫びしているとは言い切れない、絶妙な角度だった。演説の冒頭で原爆投下の日を描写したときも"death fell from the sky"(空から死が降ってきた)と、また、巧みな表現をした。残酷さや恐怖を表しながら、誰が死を降らせたのか、どんな経緯でその結末に至ったのかという責任の是非論などには一切触れなかった。
大統領は過去にとらわれるのではなく、過去から学ぶことを中心に語った。人間は戦争をする動物だが、他と違って学習ができる、方向性を変えることができる動物だ。広島という特別な場所から得た教訓を生かし、人類の文明を発展させるべきなんだと。核だけではなく、戦争自体がない未来を目指さないといけない。
大統領の演説から、そんなメッセージを僕は強く受け止めた。71年前のことを思いながら、日米両国や我々人間のこれからを思い描いて、ふいに目頭が熱くなった。
大統領の演説には、僕が納得するような説明も謝罪もなかった。それだけを考えると、ある意味、欲求不満で終わったともいえるかもしれない。でも、彼の言葉に気持ちの整理ができるヒントもあった。
というのは、あんなに複雑な過去を、様々な立場にあるすべての人が納得する形で説明すること自体がそもそも無謀な挑戦であるということ。それを諦めたのは正解だったかもしれない。過去は変えられないが、未来を変えることはできる。平和な世界づくりに努力することができる。そして、戦争のない世界が実現できたら――これこそ広島や長崎(の惨禍)を、平和への意味があるものにできることなのだろう。過去に欲張っても満足することはない。未来に欲張ろう。
【参考記事】オバマ大統領の広島訪問に対する中国の反応
昨日、元敵国同士の代表が、最も憎しみ合った地に立って、手を取り合って平和な世界を作る努力を誓った。僕の祖父も妻の祖父もきっとその姿を見ることができたら大喜びだったと思う。
式典が終わって、胸にこんな思いを抱き、目に涙を浮かべながら会場を後にした。そんなときに、地元の人が数人、声をかけてくれた。被ばく者の孫やひ孫の方たちだった。元敵国のアメリカ人の僕に対して、優しく、「来てくれてありがとう」と言ってくれた。「広島を忘れないでね」と言ってくれた。
忘れることはない。1945年8月6日に広島であったことも、2016年5月27日にあったことも。
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