コラム

結婚魔エリザベス・テイラーの夫たち

2010年04月16日(金)18時00分

 先ごろ9回目の結婚に向けて29歳年下の黒人男性と婚約したというニュースでハリウッド女優らしさを見せつけたエリザベス・テイラー(78)。USウイークリー誌(電子版)がスクープとして報じてメディアの期待が一気に高まったが、今週に入ってテイラー本人がツイッターで婚約の噂は「事実ではない」と否定。相手と目されていたジェイソン・ウインターズ(49) は「私のマネジャーであり、親愛なる友人」と強調した。

 これで当面は、テイラーが「結婚回数が最も多いハリウッド女優」になる可能性は少なくなった。今のところトップは、(知られている限りでは)結婚歴9回のザ・ザ・ガボール(93)。1937年にトルコの政治家と結婚したのを皮切りに、俳優や銀行家などさまざまな男性と結婚・離婚を繰り返してきた(テイラーの最初の夫コンラッド・ニコルソン・ヒルトンの父親と結婚したこともある)。70年には『男を捕まえ、男をキープし、男を捨てる方法』という本まで出版している。

 しかしテイラーも負けてはいない。歴代の夫は大手ホテルチェーンの御曹司から俳優、建設作業員まで幅広い。それぞれ簡単に振り返ってみると......

1番目 コンラッド・ニコルソン・ヒルトン(結婚期間:1950~51年)
 米大手ホテルチェーンの創業者コンラッド・ヒルトンの息子。当時、ハリウッドきってのスター女優と若き大富豪の御曹司という「絵に描いたようなビッグカップル」の結婚は一大ニュースになった(しかもタイミングよく、結婚の翌月にテイラーの主演映画『花嫁の父』が公開された)。しかしハネムーン中にヒルトンの飲酒癖が明らかになるなど、早くから不協和音が漂い、わずか8カ月で破局。

2番目 マイケル・ワイルディング(52~57年) 
 2番目の夫ワイルディングは、テイラーより20歳年上のイギリス人俳優。52年に撮影現場で知り合い、同年結婚。2人の男児を授かるが、テイラーが舞台・映画プロデューサーのマイケル・トッドと恋に落ち、約5年で離婚。

3番目 マイケル・トッド(57~58年) 
 ワイルディングと離婚して1週間も経たないうちに、テイラーは24歳年上のトッドと結婚。娘も1人生まれたが、結婚から約1年後にトッドは飛行機事故で死亡。

4番目 エディ・フィッシャー(59~64年) 
 歌手のフィッシャーはもともと3番目の夫マイケル・トッドの親友で、2人の結婚式で付添人まで務めた。トッドの死後、フィッシャーはテイラーを献身的に励まし、しだいに恋愛関係へと発展。フィッシャーは女優のデビー・レイノルズと離婚してテイラーと結婚したが、テイラーは夫を奪った悪女として厳しく批判された。

5番目 リチャード・バートン(64~74年) 
 夫ナンバー5のバートンは、63年の映画『クレオパトラ』でテイラーと共演したイギリス人俳優。2人とも当時は結婚していたが撮影中に恋愛関係に陥り、ダブル離婚の末に晴れてゴールイン。その後も多くの映画で共演し、66年の『バージニア・ウルフなんかこわくない』は主演女優賞など米アカデミー賞5部門を制覇。しかし派手な生活ぶりやバートンのアルコール依存症が、次第に2人の関係を蝕んでいった。

6番目 リチャード・バートン(2度目、75~76年) 
 一度離婚したものの、お互い別れきれずに翌年バートンと再婚。しかし長続きはしなかった。

7番目 ジョン・ワーナー(76~82年)
 ワーナーはテイラーと結婚後の78年、共和党の上院議員(バージニア州)に選ばれた。以来、09年1月まで30年近く上院議員を務めたが、テイラーとの結婚は6年弱で終止符。政治家の夫を支えるためにテイラーはハリウッドを離れてバージニアに移り住み、家庭の諸事や選挙活動に取り組んだが、無理しすぎたのかも。

8番目 ラリー・フォーテンスキー(91~96年) 
 8番目の夫フォーテンスキーは20歳年下の建設作業員。テイラーがアルコール依存症の治療施設に入っていた時に出会ったらしい。挙式はロサンゼルス郊外の故マイケル・ジャクソンの邸宅ネバーランドで行われ、費用は推定200万ドルといわれるほど豪華だった。そんな華やかな思い出と愛さえあればどんな苦難も乗り越えられる......わけでもなく、別居の末に5年で離婚。

 以上、このリストを読んだだけでも恋多き女のパワーに圧倒される(あるいはパワーを吸い取られる)が、同時にマイケル・ジャクソンやジュディ・ガーランドにも通じる不器用さやひたむきさを感じずにはいられない。「スター性」とはそんなところから生まれるものなのかもしれない。

――編集部・佐伯直美

このブログの他の記事も読む

プロフィール

ニューズウィーク日本版編集部

ニューズウィーク日本版は1986年に創刊。世界情勢からビジネス、カルチャーまで、日本メディアにはないワールドワイドな視点でニュースを読み解きます。編集部ブログでは編集部員の声をお届けします。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米ボーイング、「737」生産ライン今夏に追加へ

ビジネス

中国1月CPIは0.2%上昇、PPIは下落率縮小

ビジネス

米アルファベット、ポンド建て100年債発行 IT業

ワールド

米ミネソタ州知事、トランプ政権の移民取り締まり「数
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 2
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...周囲を気にしない「迷惑行為」が撮影される
  • 3
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トランプには追い風
  • 4
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を…
  • 5
    崖が住居の目の前まで迫り、住宅が傾く...シチリア島…
  • 6
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 7
    変わる「JBIC」...2つの「欧州ファンド」で、日本の…
  • 8
    衆院選で吹き荒れた「サナエ旋風」を海外有識者たち…
  • 9
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 10
    まさに「灯台下暗し」...九州大学の研究チームが「大…
  • 1
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 5
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 6
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 7
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 8
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 4
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 7
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 8
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 9
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
  • 10
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story