北朝鮮金総書記が北京到着、娘「ジュエ」氏同行 中ロ朝首脳結束誇示へ

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記が北京に到着し、中国の王毅外相らの出迎えを受けた。列車のなかでの金氏、2日の提供写真(2025年 ロイター/KCNA)
[北京/ソウル 2日 ロイター] - 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記が北京に到着し、中国の王毅外相らの出迎えを受けた。国営の朝鮮中央通信(KCNA)が北朝鮮外務省の発表として2日報じた。北京にはロシアのプーチン大統領がすでに到着しており、中国の習近平国家主席と共に3日に北京で行われる抗日戦争勝利80年記念式典に出席し、中国人民解放軍のパレードを観覧する予定。トランプ米大統領が掲げる「米国第一主義」で西側諸国の同盟関係が揺らぐ中、習主席は新たな世界秩序への構想を誇示すると見られる。
金総書記は特別列車で北京に向かっていた。北朝鮮の国営メディアは金総書記の北京到着を確認すると同時に、娘の「ジュエ」氏が同行していると報じた。ジュエ氏は金総書記の有力な後継者と見なされており、これまでも国内の重要行事に父親と共に出席してきたが、国際舞台への登場は今回が初めてとなる。
プーチン大統領は2日、北京で習主席と会談。ロシアのインタファクス通信は大統領府関係者の話として、プーチン大統領と金氏が北京で3日に会談する可能性が高いと報じている。
金総書記にとって、3日の軍事パレードは過去最大規模の多国間外交イベント。外交の輪を広げる機会になる可能性があるとみられている。金氏は2日早朝に列車で中国に入国する前、ミサイル研究所を視察。この視察について統一研究院の北朝鮮専門家、Hong Min氏は「習氏とプーチン氏と並んで立つ前に、核保有国としての北朝鮮への支持を示唆することを意図していた」との見方を示している。
ロシアと北朝鮮は2024年6月に協定を締結。中ロ朝首脳が一堂に会するに当たり、3カ国が一段と緊密な防衛関係を示唆するか注視されている。3カ国が連携を強化すればアジア太平洋地域の軍事均衡が変化するほか、中ロ朝首脳との親密な関係を誇示し、和平仲介者としての実績をアピールしたいトランプ大統領にとって打撃になる可能性がある。