ニュース速報
ビジネス

米8月ISM製造業指数、小幅改善も6カ月連続50割れ 関税の影響継続

2025年09月03日(水)03時05分

米供給管理協会(ISM)が2日発表した8月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は48.7と、前月の48.0から小幅に上昇した。カリフォルニア州ロサンゼルス港で5月撮影(2025年 ロイター/Mike Blake)

[ワシントン 2日 ロイター] - 米供給管理協会(ISM)が2日発表した8月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は48.7と、前月の48.0から小幅に上昇した。関税措置の影響が続く中、6カ月連続で拡大・縮小の分岐点となる50を下回った。

ロイターがまとめたエコノミスト予想は49.0だった。

先行きを示す新規受注指数は51.4に上昇した。これまで、6カ月連続で50を下回っていた。

一方、生産指数は47.8と、前月の51.4から低下した。生産の減少に伴い、工場の雇用は依然として低水準で推移している。ISMは「短中期の需要を巡る不確実性から、人員削減が加速している」と指摘した。

供給業者の納入を示す指数は51.3と、前月の49.3から上昇。同指数は50を超えると納入が遅延していることを示す。

支払い価格指数は63.7と、前月の64.8から低下したものの、なお高水準で推移している。

サンタンデールUSキャピタル・マーケッツのチーフエコノミスト、スティーブン・スタンリー氏は「関税関連の不確実性が後退するまで、経済全般、とりわけ製造業は引き続き停滞状態にあるとみている」と述べた。

一部の製造業者は、広範な輸入関税により国内での製造が困難になっているとしたほか、電気機器・家電・同部品のメーカーが「多くの部品が関税対象となったことで、『米国製』の実現がさらに困難になっている」と報告した。

繊維、その他製造業、一次金属を含む7業種が拡大。一方、機械、電気機器・家電・同部品、コンピューター・電子機器を含む10業種が縮小した。

一部の輸送機器メーカーは、足元の状況は2007─09年の世界的な景気後退(リセッション)よりも悪いとし、「これは100%、現在の関税政策とそれによって生み出された不確実性に起因する」と述べた。

PMIは依然として低迷しているものの、人工知能(AI)関連支出は大幅に増加し、関税措置によるマイナス影響の相殺に一部寄与した。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、シカゴへの州兵派遣「権限ある」 知事は

ビジネス

ブラジルGDP、第2四半期は0.4%増

ワールド

米軍、カリブ海でベネズエラ発の船舶攻撃 麻薬積載=

ビジネス

アンソロピック企業価値1830億ドル、直近の資金調
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:豪ワーホリ残酷物語
特集:豪ワーホリ残酷物語
2025年9月 9日号(9/ 2発売)

円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代──オーストラリアで搾取される若者たちの実態は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 2
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体」をつくる4つの食事ポイント
  • 3
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 4
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シ…
  • 5
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 6
    トレーニング継続率は7倍に...運動を「サボりたい」…
  • 7
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動…
  • 8
    「人類初のパンデミック」の謎がついに解明...1500年…
  • 9
    トランプ関税2審も違法判断、 「自爆災害」とクルー…
  • 10
    世界でも珍しい「日本の水泳授業」、消滅の危機にあ…
  • 1
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 2
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動ける体」をつくる、エキセントリック運動【note限定公開記事】
  • 3
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 4
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 5
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 6
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 7
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 8
    首を制する者が、筋トレを制す...見た目もパフォーマ…
  • 9
    「人類初のパンデミック」の謎がついに解明...1500年…
  • 10
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シ…
  • 1
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 2
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 3
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大ベビー」の姿にSNS震撼「ほぼ幼児では?」
  • 4
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 5
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 6
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 9
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 10
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中