ニュース速報
ワールド

土地劣化・大気汚染・水ストレス、世界経済の直接的脅威に=世銀

2025年09月02日(火)15時42分

 9月2日 世界銀行のアクセル・バン・トロッツェンバーグ上級専務理事は1日、土地の劣化、大気汚染、水ストレス(水の需給逼迫)の3つの問題が世界経済の直接的な脅威になっているとし、天然資源の利用効率を高めれば、汚染を半減できる可能性があるとの見解を示した。写真は2023年6月、ロンドンで撮影(2025年 ロイター/Dylan Martine)

Simon Jessop Marc Jones

[ロンドン 1日 ロイター] - 世界銀行のアクセル・バン・トロッツェンバーグ上級専務理事は1日、土地の劣化、大気汚染、水ストレス(水の需給逼迫)の3つの問題が世界経済の直接的な脅威になっているとし、天然資源の利用効率を高めれば、汚染を半減できる可能性があるとの見解を示した。

特に低所得国で被害が深刻という。報告書の公表に合わせてロイターの取材に応じた。

低所得国の国民の約80%がこの3つの問題全てに直面していると指摘。多くの国が援助予算を削減しているが、世銀は対応を進めていくと強調した。

報告書によると、被害が最も深刻な国の1つであるブルンジでは、800万人が水ストレスと大気汚染に直面し、700万人が土地劣化に見舞われている。マラウイでは1200万人が3つのリスク全てにさらされている。

また、世界人口の90%が少なくとも1つの問題に直面しており、報告書は各国に対し、有害な活動に交付されている補助金を見直すよう求めている。

報告書は、世界の雨雲の約半分が森林によって形成されていると推定。森林伐採が降雨量の減少につながり、アマゾン川周辺の9カ国だけで年間140億ドルのコストが発生しているという。

森林伐採により、水分をゆっくりと貯蔵・放出する能力も低下。これにより、干ばつの影響が増幅され、世界全体の農業経済生産高の8%に相当する3790億ドルの損失につながっている。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

金総書記が北京到着、娘も同行のもよう プーチン氏と

ビジネス

住友商や三井住友系など4社、米航空機リースを1兆円

ビジネス

サントリー会長辞任の新浪氏、3日に予定通り経済同友

ワールド

イスラエル予備役約4万人動員へ、軍高官が閣僚と衝突
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:豪ワーホリ残酷物語
特集:豪ワーホリ残酷物語
2025年9月 9日号(9/ 2発売)

円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代──オーストラリアで搾取される若者たちの実態は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体」をつくる4つの食事ポイント
  • 2
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 3
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シャロン・ストーンの過激衣装にネット衝撃
  • 4
    世界でも珍しい「日本の水泳授業」、消滅の危機にあ…
  • 5
    映画『K-POPガールズ! デーモン・ハンターズ』が世…
  • 6
    首を制する者が、筋トレを制す...見た目もパフォーマ…
  • 7
    BAT新型加熱式たばこ「glo Hilo」シリーズ全国展開へ…
  • 8
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 9
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動…
  • 10
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 1
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 2
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 3
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動ける体」をつくる、エキセントリック運動【note限定公開記事】
  • 4
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 5
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 6
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 7
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 8
    脳をハイジャックする「10の超加工食品」とは?...罪…
  • 9
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 10
    首を制する者が、筋トレを制す...見た目もパフォーマ…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 7
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 10
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中