ニュース速報
ワールド

債券市場の機能度DI、8月はマイナス34 超長期懸念で戻り鈍い=日銀調査

2025年09月01日(月)17時20分

 日銀が1日発表した「債券市場サーベイ」の8月調査によると、債券市場の機能度に対する市場参加者の見方を示す機能度判断DIはマイナス34となった。写真は、日銀本店の屋上に掲げられた日本国旗。1月23日、東京で撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)

Takahiko Wada

[東京 1日 ロイター] - 日銀が1日発表した「債券市場サーベイ」の8月調査によると、債券市場の機能度に対する市場参加者の見方を示す機能度判断DIはマイナス34となった。5月の前回調査(マイナス44)を上回り、2四半期ぶりに改善した。ただ、超長期債の流動性低下が懸念され、5月の急落に対して戻りは鈍かった。

前回はトランプ米大統領の相互関税発表で日本の債券市場でもボラティリティーが高まり、DIが2月調査のマイナス13から31ポイント急落していた。

日銀の担当者によれば、今回調査では超長期ゾーンについて、財務省による発行減額が需給の改善につながったとの声が出る半面で、生保の需要が低調なもとで米国の関税政策の影響や内外の金融政策を巡る不確実性などを背景に引き続き流動性が低いとの声が多かったという。

債券市場の機能度・流動性に関する各論のうち、最も高い買い値と最も安い売り値の差である「ビッド・アスク・スプレッド」の判断DIはマイナス40(前回はマイナス49)、注文量判断DIはマイナス45(同マイナス59)と改善は限定的だった。

調査期間は8月1─7日。日銀の国債売買オペ先や大手機関投資家など75社を対象に調査した。機能度判断DIは機能度が「高い」と答えた割合から「低い」と答えた割合を差し引いた数字で、マイナスの数字が大きいほど市場機能が低下していると判断している市場参加者が多いことを意味する。

<金利見通し>

金利見通しは前回より上方にシフトした。10年債利回りの中央値は、25年度末が1.65%(前回は1.50%)、26年度末が1.75%(同1.60%)、27年度末が1.80%(同1.70%)。20年債利回りの中央値はそれぞれ2.60%(同2.35%)、2.65%(同2.40%)、2.60%(同2.45%)。30年債利回りは3.10%(同2.80%)、3.10%(同2.80%)、3.10%(同2.85%)となった。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

プーチン氏、SCO加盟国に共同債券の発行を提案

ビジネス

英住宅ローン承認件数、7月は予想上回る 1月以来最

ワールド

ウクライナ元国会議長殺害、ロシアが関与=警察長官

ワールド

アフガン東部でM6地震、死者800人超・2800人
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:健康長寿の筋トレ入門
特集:健康長寿の筋トレ入門
2025年9月 2日号(8/26発売)

「何歳から始めても遅すぎることはない」――長寿時代の今こそ筋力の大切さを見直す時

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体」をつくる4つの食事ポイント
  • 2
    首を制する者が、筋トレを制す...見た目もパフォーマンスも変える「頸部トレーニング」の真実とは?
  • 3
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シャロン・ストーンの過激衣装にネット衝撃
  • 4
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動…
  • 5
    映画『K-POPガールズ! デーモン・ハンターズ』が世…
  • 6
    「体を動かすと頭が冴える」は気のせいじゃなかった⋯…
  • 7
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 8
    就寝中に体の上を這い回る「危険生物」に気付いた女…
  • 9
    シャーロット王女とルイ王子の「きょうだい愛」の瞬…
  • 10
    世界でも珍しい「日本の水泳授業」、消滅の危機にあ…
  • 1
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 2
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット民が「塩素かぶれ」じゃないと見抜いたワケ
  • 3
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 4
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動…
  • 5
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」…
  • 6
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密…
  • 7
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 8
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 9
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 10
    脳をハイジャックする「10の超加工食品」とは?...罪…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 7
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 10
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中