メルツ独首相、ウクライナ戦争の長期化想定する必要性指摘

8月31日、 ドイツのメルツ首相は公共放送ZDFのインタビューでウクライナ戦争について「長期にわたって続く事態に備えている」と述べた。写真は30日、ロシアの攻撃を受けたザポロジエの集合住宅前で撮影(2025年 ロイター)
[ベルリン 31日 ロイター] - ドイツのメルツ首相は31日、公共放送ZDFのインタビューでウクライナ戦争について「長期にわたって続く事態に備えている」と述べた。戦争は通常、軍事的敗北や経済的消耗によって終結するが、ウクライナとロシアのいずれも当面、そうした状況には至らないと考えられることを踏まえると、戦争の長期化を想定する必要があると説明した。
メルツ氏は、ウクライナ戦争を可及的速やかに終結させるため集中的な外交面の取り組みが行われているが、これは「ウクライナの降伏という代償を払う」形にはできないと指摘。そうした代償を払えば、ロシアは単に別の国を標的にするようになるためだと主張した。その場合、ロシアの次の標的は「わが国になるだろう」と述べた。
一方でメルツ氏は、ロシアとウクライナが和平合意に達した場合、ウクライナにおける安全保障の一環として同国にドイツ軍を派遣する可能性については言及を避けた。
英国とフランスは、戦争終結後にロシアによる将来の侵攻を阻止する「平和維持部隊」をウクライナに派遣する提案を主導しているが、同部隊にドイツが加わる案は、ナチスの禍根が残る国で不安を駆り立てている。