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増税・社会負担増の岸田首相は「2通の封書」を用意すべき時

ILLUSTRATION BY AYAKO OCHI FOR NEWSWEEK JAPAN
<穏やかそうな雰囲気で「聞く力」を掲げた岸田首相だが、国民の悲鳴は「聞こえない」のか>
【封書】
新たに政権を担うことになった日本の首相が、前首相から1通の封書を手渡された。
前首相が言った。
「もし支持率が下がってきたら、この封書を開けなさい。対処法が書かれているから」
前首相はさらにもう1通の封書を手渡して続けた。
「それでもダメだったら、こちらの封書を開けなさい。最後の対処法が書かれているから」
数カ月後、新政権の政治運営は早くも行き詰まってしまった。首相は藁わらにもすがる思いで1通目の封書を開けた。そこにはこう書かれていた。
「内閣改造せよ」
首相はすぐに内閣改造に着手し、断行した。その結果、支持率は大きく回復した。
しかし、その後、再び支持率は低下してしまった。首相は絶望の淵でこう思った。
(もはや2通目の封書を開けるしかない。きっとまた私を助けてくれるだろう)
首相は大きな期待と共に、2通目の封書を開けた。そこにはこう書かれていた。
「2通の封書を用意せよ」
政権発足当時、穏やかそうな雰囲気で支持を集めた岸田文雄首相。首相が強調する「聞く力」に期待した国民も多かったに違いない。しかし、今や支持率は低空飛行である。
「それもそのはず──」の感が否めない。「新しい資本主義」や「資産所得倍増プラン」といった聞き心地のいい言葉を掲げたが、実際に推し進めたことと言えば、物価高騰の中での増税、社会負担増の連続。
議員負担に関する政策はいかにも遅々としているのに、国民の負担増だけは驚くほどの電光石火。ネットでは「岸田に殺される」という言葉がトレンド入りする事態となった。
国民の悲鳴は首相には「聞こえない」のだろうか。もしくは首相の「聞く力」とは「財務省の声」に向けられたものなのだろうか。
では野党はどうか。立憲民主党の小川淳也前政務調査会長はテレビ番組で「消費税は最低で25%は必要」などと熱弁を披露。この国には景気の腰を折りたい政治家しかいないのかと首をかしげたくなる。