コラム

バス運転手から「出産祝い」、これってあり!?

2023年02月20日(月)18時05分
バスの中の妊婦

ILLUSTRATION BY AYAKO OCHI FOR NEWSWEEK JAPAN

<「静かなる有事」とも言われる少子化。「異次元」の支援策、社会の雰囲気、結婚観のリセットも必要になるだろう>

【出産】

とある長距離バスの車内で、一人の妊婦が突然、産気づき始めた。その様子に気付いた車内の女性たちは、協力して妊婦の面倒を見た。

その結果、一人の男児が無事に生まれたのである。車内は大きな歓喜と拍手に包まれた。

すると、乗客の一人が言った。

「私は洋服屋をしております。ぜひお祝いとして、赤ちゃん用の服を贈らせていただきたいと思います」

別の乗客が言った。

「私は家具屋をしております。ぜひお祝いとして、赤ちゃん用ベッドを贈らせていただきたいと思います」

また別の乗客が言った。

「私はレストランを経営しております。ぜひお祝いとして、ご家族をディナーに招待させていただきたいと思います」

そんな数々の言葉を聞き、出産を終えたばかりの女性は幸福感の中で大粒の涙を流した。

すると、それらの会話を聞いていたバスの運転手が言った。

「それでは私からもお祝いを一つ。このバスは5歳以下の子供は無料となっております」

◇ ◇ ◇


「少子化対策に全力で取り組む」という岸田政権。その意気や良し、である。少子化は「静かなる有事」とも言われるが、日本では「大規模有事」が日に日に進んでいる。

児童手当の拡充といった具体的な支援策とともに重要なのが、社会の雰囲気や国民のマインドであろう。「子供の声がうるさい」という声が社会問題化するような雰囲気は、「子供を産み育てよう」というマインドに水を差す。

プロフィール

ニュース速報

ビジネス

カナダ中銀、0.25%利上げ 3会合ぶり インフレ

ワールド

トルコ・ロシア首脳が電話会談、プーチン氏「ダム崩壊

ワールド

バイデン氏支持率41%、債務問題解決でも横ばい=世

ビジネス

中国不動産市場、支援策の奏功には時間が必要=政府系

MAGAZINE

特集:最新予測 米大統領選

2023年6月13日号(6/ 6発売)

トランプ、デサンティス、ペンス......名乗りを上げる共和党候補。超高齢の現職バイデンは2024年に勝てるのか

メールマガジンのご登録はこちらから。

人気ランキング

  • 1

    「中で何かが動いてる」と母 耳の穴からまさかの生き物が這い出てくる瞬間

  • 2

    性行為の欧州選手権が開催決定...ライブ配信も予定...ネット震撼

  • 3

    ワグネルは撤収と見せかけてクーデーターの機会を狙っている──元ロシア軍情報部門将校 

  • 4

    自社株買いでストップ高!「日本株」の評価が変わり…

  • 5

    元米駆逐艦長が「心臓が止まるかと」思ったほど危機…

  • 6

    メーガン妃が「絶対に誰にも見られたくなかった写真…

  • 7

    「ダライ・ラマは小児性愛者」 中国が流した「偽情報…

  • 8

    プーチンは体の病気ではなく心の病気?──元警護官が…

  • 9

    マーサ・スチュワート、水着姿で表紙を飾ったことを…

  • 10

    ワグネルに代わってカディロフツィがロシアの主力に…

  • 1

    ロシアの「竜の歯」、ウクライナ「反転攻勢」を阻止できず...チャレンジャー2戦車があっさり突破する映像を公開

  • 2

    「中で何かが動いてる」と母 耳の穴からまさかの生き物が這い出てくる瞬間

  • 3

    「日本ネット企業の雄」だった楽天は、なぜここまで追い込まれた? 迫る「決断の日」

  • 4

    米軍、日本企業にTNT火薬の調達を打診 ウクライナ向…

  • 5

    「ダライ・ラマは小児性愛者」 中国が流した「偽情報…

  • 6

    敗訴ヘンリー王子、巨額「裁判費用」の悪夢...最大20…

  • 7

    【ヨルダン王室】世界がうっとり、ラジワ皇太子妃の…

  • 8

    【画像・閲覧注意】ワニ40匹に襲われた男、噛みちぎ…

  • 9

    どんぶりを余裕で覆う14本足の巨大甲殻類、台北のラ…

  • 10

    ウクライナ側からの越境攻撃を撃退「装甲車4台破壊、戦…

  • 1

    【画像・閲覧注意】ワニ40匹に襲われた男、噛みちぎられて死亡...血まみれの現場

  • 2

    世界がくぎづけとなった、アン王女の麗人ぶり

  • 3

    カミラ妃の王冠から特大ダイヤが外されたことに、「触れてほしくない」理由とは?

  • 4

    「ぼったくり」「家族を連れていけない」わずか1年半…

  • 5

    F-16がロシアをビビらせる2つの理由──元英空軍司令官

  • 6

    築130年の住宅に引っ越したTikToker夫婦、3つの「隠…

  • 7

    歩きやすさ重視? カンヌ映画祭出席の米人気女優、…

  • 8

    「飼い主が許せない」「撮影せずに助けるべき...」巨…

  • 9

    預け荷物からヘビ22匹と1匹の...旅客、到着先の空港…

  • 10

    キャサリン妃が戴冠式で義理の母に捧げた「ささやか…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story