コラム

外国人参政権が日本を救う

2009年09月07日(月)12時25分

今週のコラムニスト:李小牧

 歌舞伎町案内人という仕事がら、明け方まで起きていることは多いがテレビを朝まで見ることはほとんどない。それは歌舞伎町という「24時間劇場」の方がテレビよりずっと刺激的だから。ただ、総選挙で民主党が大勝した8月30日の夜だけはテレビの前にくぎ付けになった。

 小沢ガールズの美しさに心を奪われたわけではない(笑)。新たに政権に就く民主党は、定住外国人に地方参政権を与えることを党の基本方針に掲げている。今回の政権交代は、日本に住む外国人にとってとても重要な意味をもっている。

「日本には男の人、女の人、そして外国の人がいる」と、私はよく冗談で言う。日本には現在220万人の外国人が住んでいるが、参政権のないわれわれの意見はまったく政治に反映されていない。国籍を問わず加入義務があるのに25年続けて住まないと受け取る権利のない年金制度や、在日外国人の子どもの不就学といった難題が山積しているにもかかわらず、である。

 外国人参政権の実現は在日外国人だけの問題ではない。少子化と高齢化によって人口が減れば、日本社会は嫌でも外国人(単純労働者だけではない)なしではやって行けなくなる。帰化しなくても自分たちの権利を認めてくれる心の広い国だと知れば、より優秀な外国人が新たな生活先として日本を選んでくれる。だが、そうでなければ彼らは日本を素通りしてしまう。

■参政権がもたらす意外なメリット

 外国人参政権に反対する人たちはよく「外国政府の内政干渉を招く」とか、「1つの自治体が乗っ取られてしまう」と言うが、まったく「胡説八道(でたらめ)」だ。そもそも今問題になっている参政権は地方選挙に限ったもの。中国共産党が例えば東北や九州の町村政治に手を突っ込んで、何のメリットがあるというのか。

 逆に在日外国人の参政権を認めることは、日本に外交上のメリットをもたらすだろう。毒ギョーザ事件で中国当局が当初、日本に責任を押し付けようとしたのは記憶に新しいが、今後そんなことが起きても、在日中国人に重要な人権である参政権を認めていれば、日本政府として強い態度に出やすいはずだ(もちろん在日中国人のわれわれも黙ってはいない)。

 在日外国人を政治の世界に取り込むことは、外国人管理のうえでも役に立つ。中国人を理解できるのは、何と言っても言葉や習慣が同じ中国人。「かゆいところに手が届く」政策を実現すれば、在日外国人の犯罪だって減るだろう。低迷している投票率も、われわれが参加すればきっと上がるはずだ。

「日本の政治をどういう言う前に、中国には民主主義がないではないか」という批判は甘んじて受けよう。でも民主主義がないのがイヤで日本に来たのに、その日本でも選挙権や被選挙権が認められないのでは悲しすぎる。

■「遣日使」は外国の手先にあらず

 かつて日本から中国に渡った遣唐使たちのなかには、中国に骨を埋めた人たちがたくさんいた(阿倍仲麻呂は中国でも有名人だ)。日本に学び、母国に日本の良さを伝え続けているわれわれ在日外国人はいわば「遣日使」。日本を愛し、この地に青春を捧げた者を「外国政府の手先」呼ばわりしてほしくない。

 現在、世界の中で定住外国人の参政権を認めているのはヨーロッパを中心にした40カ国ほどしかない。ただ少数派だからといって、定住外国人に参政権を与えるのが間違いだとは限らない。少子高齢化が進むどの先進国にとっても、今後外国人問題はますます深刻になっていく。日本は外国からたくさんのことをうまく学んで発展してきた国だが、次は日本が世界に外国人参政権の「日本モデル」を示す番だと思う。

 日本も美人が多い国だと思うが、その数と質ではやはり人口13億人の中国にはかなわない。晴れて被選挙権を手にしたあかつきには、小沢ガールズならぬ李小牧ガールズを引き連れ、歌舞伎町党党首として立候補することをここに宣言させていただく(笑)。

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