コラム

「AutoGPT」だけじゃない──自律エージェントの住む街など最新事例4選

2023年05月18日(木)14時30分
チャット型AI

everything possible-Shutterstock

<チャット型AIがわずか数カ月で「物知りな部下」から「仕事を任せることのできる部下」に一気に進化>

*エクサウィザーズ AI新聞から転載

「ChatGPT」周辺技術の進化の速度が半端ない。課題とみなされていたことが次々と解決され、チャット型AIが自律エージェントというまったく別のツールへと進化してきた。幾つか登場したばかりの自律エージェントの特徴を見てみたい。

ChatGPTは、いわば「何でも知っている物知りな部下」のような存在。何を聞いても、すぐに答えてくれるし、簡潔に要点をまとめるところもすばらしい。ただ間違った情報が混じることがある。「知ったかぶりして、シラッと嘘をつく」ような感じだ。

この問題を解決するために、ChatGPTの開発元である米OpenAIは、「ChatGPT plugins」という仕組みを発表してきた。外部のプログラムやデータベースに接続する仕組みで、より正確な情報を外部から調達することでChatGPTの回答に誤りが少なくなる。例えると、部下が資料室に行って、資料に目を通してから答えるようになった感じだ。

ただこの部下の記憶容量には限界がある。いろいろな資料に目を通しているうちに、何を探していたのか分からなくなる。なので上司から資料室のどの資料に目を通すべきかを指示してあげなければならない。

そこに、重要なことを長く記憶できる「AutoGPT」と呼ばれる技術が登場した。いろんな作業をしていても、その作業の目的を忘れない。なので目的を伝えるだけで、自分で何をすべきか判断し、すべきことを1つ1つこなしていくことで目的に近づくことができる。

例えると、「仕事を任すことのできる部下」のような感じだ。上司が細かく指示しなくても、この部下は自分で何をすべきか判断し実行する。ときには同僚とチームを組んで、手分けしながら目的を達成することもある。

ChatGPTがリリースされたのが2022年11月30日。ChatGPT Pluginsが2023年3月23日、AutoGPTは3月30日だ。わずか数カ月で「物知りな部下」から「仕事を任せることのできる部下」に一気に進化したわけだ。

「仕事を任せることのできる部下」自律エージェントには、どんなものがあるのだろう。詳しく見ていこう。

自律エージェントには、単独エージェント型と複数エージェント型がある。それぞれの特徴を見ていこう。

プロフィール

湯川鶴章

AI新聞編集長。米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。2017年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(2015年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(2007年)、『ネットは新聞を殺すのか』(2003年)などがある。趣味はヨガと瞑想。妻が美人なのが自慢。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

最近の急速なウォン安・円安、深刻な懸念共有=日韓対

ワールド

米戦略石油備蓄の第1弾、来週末までに供給 8600

ビジネス

日立とGEベルノバ、東南アジアで小型モジュール炉導

ワールド

米商務省、AI半導体輸出の新規則案を撤回 公表から
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製をモデルにした米国製ドローンを投入
  • 2
    有人機の「盾」となる使い捨て無人機...空の戦いに革命をもたらす「新世代ドローン」とは?
  • 3
    イラン攻撃のさなか、トランプが行った「執務室の祈祷」を中国がミーム化...パロディ動画が拡散中
  • 4
    「映画賞の世界は、はっきり言って地獄だ」――ショー…
  • 5
    ファラオが眠る王家の谷に残されていた「インド系言…
  • 6
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切り…
  • 7
    ホルムズ封鎖で中国動く、イランと直接協議へ
  • 8
    機内で「人生最悪」の経験をした女性客...後ろの客の…
  • 9
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 10
    『ある日、家族が死刑囚になって』を考えるヒントに…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 5
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 6
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 7
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 8
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切り…
  • 9
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 10
    40年以上ぶり...イスラエル戦闘機「F-35I」が、イラ…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story