コラム

メタバース普及のロードマップ予測。カイフ・リー著「AI2041」から

2021年11月17日(水)14時53分

リー氏によると、ホログラムを使ってMRを実現するのは技術的に非常に難しく、2041年の段階でも、メガネやコンタクトレンズなどの表示デバイスが必要になるだろうとしている。

またイーロン・マスク氏は、微細な電極を脳に埋め込むニューロテックと呼ばれる技術で、データを脳にアップロードできると主張している。そうなれば、表示デバイスなしで現実空間に仮想コンテンツが出現するような風景を脳の視覚野に表示できるわけだ。ただ脳の仕組みはまだまだ分からないことが多く、ニューロテックもまだ黎明期に過ぎない。リー氏によると、2041年までにニューロテックがそこまで進化する可能性は低い、としている。

「スマホの次に何がくるのか」という質問をよく耳にする。「スマホの次はVRだ」という意見もある。しかし、当面はXRグラスが普及したとしてもスマホの周辺機器にしか過ぎず、スマホを不要にするのには、あと20年近くかかるということなのだろう。

プロフィール

湯川鶴章

AI新聞編集長。米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。2017年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(2015年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(2007年)、『ネットは新聞を殺すのか』(2003年)などがある。趣味はヨガと瞑想。妻が美人なのが自慢。

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