コラム

部下を急成長させる「ホメジメント」の技術

2018年12月25日(火)17時00分

部下を伸ばすことも大事なマネジメントの1つ SARINYAPINNGAM/iStocks

<上手に褒めることができれば部下は気持ちよく成長する。だが、褒めることはそう簡単ではない。「褒めるマネジメント」の実践法>

部下を、いつ叱ったらいいのか。いつ褒めたらいいのか。上司としては常に頭を悩ませるところです。

職務満足、そして職務不満足を引き起こす要因が2種類あるとした「ハーズバーグの二要因理論」は、部下と関係を築くうえで大変参考になる理論です。

二要因とは、職務満足につながる「動機付け要因」と、職務不満足につながる「衛生要因」。今回のコラムでは「動機付け要因」を整理していきます。

私は企業の現場に入って目標を絶対達成させるコンサルタントです。ですから「動機付け要因」の最たるものが「達成」であることは、理論を知る前から肌で感じています。

達成しなければ不満足となるわけではないですが、目標が達成されれば、当然のことながら人の満足レベルはMAXに。

次に「達成」ほどレベルが高くはないが、「動機付け要因」として無視できないのが「承認」です。

だから部下の職務満足レベルを上げ、成長を促すためには、上司からの適度な「承認」が必要。つまり、褒めることが大事なのです。

褒め言葉の「3S」

部下の成長を促すためには、褒めることが大事です。もともと人間は誰かに「褒められる」ことで脳内神経伝達物質である「ドーパミン」が分泌され、意欲が高まることはよく知られています。

皆さんは、どのように部下を褒めていますか。どのようなフレーズを使いますか。有名な「褒め言葉」の『3S』を覚えましょう。「すごいね」「さすがだね」「すばらしいね」の『3S』です。

とくに若いころに褒められたことがないまま年齢を重ねたマネジャーは、褒めることが苦手です。褒められた経験がないわけですから、意識しないとなかなかできません。私もそうでした。

ですから次にすべきは、心掛けだけではなくアクションプランを作ることです。無意識に褒めることができない人は、「褒める」を体得するために「ホメジメント」をしましょう。

ホメジメントとはもちろん、「褒める」と「マネジメント」をくっつけた造語です。

まず、褒めるプラン(P)を考えます。1日1回は褒めよう、1週間に10回は褒める──などと具体的な数字で決めるのです。部下にこれができたら「すごいね」と声をかけよう、と具体的な中身も決めるのです。そして実行(D)します。

そこからは、定期的に「正しく褒めているか?」「褒めるタイミングを逃していないか?」とチェック(C)し、改善(A)していきます。このようにPDCAサイクルをまわすことが「ホメジメント」です。

ただ、いざやろうとすると、なかなか難しいものです。

プロフィール

横山信弘

アタックス・セールス・アソシエイツ代表取締役社長。現場に入り、目標を絶対達成させるコンサルタント。全国でネット中継するモンスター朝会「絶対達成社長の会」発起人。「横山信弘のメルマガ草創花伝」は3.5万人の企業経営者、管理者が購読する。『絶対達成マインドのつくり方』『営業目標を絶対達成する』『絶対達成バイブル』など「絶対達成」シリーズの著者。著書はすべて、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。年間100回以上の講演、セミナーをこなす。ロジカルな技術、メソッドを激しく情熱的に伝えるセミナーパフォーマンスが最大の売り。最新刊は『自分を強くする』。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米新規失業保険申請件数、1.6万件減の19.9万件

ビジネス

医薬品メーカー、米国で350品目値上げ トランプ氏

ビジネス

中国、人民元バスケットのウエート調整 円に代わりウ

ワールド

台湾は31日も警戒態勢維持、中国大規模演習終了を発
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 5
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 6
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 7
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 8
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 9
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story