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ベトナムと日本人

ヨシヒロミウラ|ベトナム

ベトナムにあって、日本に無い祭日「教師の日」とは?

教師の日の中学校。生徒達が先生に感謝を込めて踊りや歌・劇を披露します。 (筆者撮影)

ベトナムには祝日が6つあります。日本の祝日は16あり、ベトナムより多いです。でもベトナムには「祭日」が多く、会社や学校が休みにはなりませんが、お祝いをする日が日本に比べて多いんです。中秋節・女性の日・教師の日など。。。女性の日は年に2回もあるんですよ。祭日の日に向けて準備する会社や学校が多く、祭日当日も仕事や勉強もそっちのけで祭日を楽しむところも多いです。ちなみに父の日、男性の日はありません(笑)。そんなベトナムの祭日の中で今回は私も経験がある「教師の日」を紹介します。

教師の日とは?


ベトナム教師の日の由来

ベトナム語版Wikipedia によると、1949年7月にフランスで発足した「世界教育者組合連合」の記念日が由来となっているようです。ベトナムは1953年に世界教育者組合連合のメンバーとなりました。世界教育者組合連合(当時57か国加盟)は1957年に翌年の11月20日を「教育者国際憲章の日」とすることを採択。これを受けて、北緯17度線で南北に分かれていたベトナムの北部でも、1958年11月20日に初めての記念式典が開催されました。

それ以降、ベトナムでは毎年この「教育者国際憲章の日」に北部を中心として教師に関連する様々な活動が行われるようになり、南ベトナム解放戦線を通じて徐々に南部にも広まり、南北統一後は「教師の日」として全国的に定着。1982年に政府は正式に、11月20日を「ベトナム教師の日」と定めました。

VietJoe Life より引用


ベトナムの教師の日は、11月20日です。この日には生徒達が先生への感謝を込めて踊りや歌・劇を先生達に披露します。また生徒や父兄はメッセージレターや花束・果物などのプレゼントを教師に贈ります。プレゼントにもある程度のトレンドがあります。今年は花束は多くの生徒が渡すので持ちきれず、人にあげたりと大事にされないケースがあるという事で果物をプレゼントする人が多かったそうです。ベトナムの教師のほとんどが女性です。教師の日に女性教師はアオザイ(ベトナムの伝統衣装)を着て学校へやってきます。とてもきれいですよ。教師の日に授業はありません。

ベトナムで教師は、学生や父兄から日本では考えられないくらいの尊敬を受けています。またそれに伴って教師にも威厳があり、私の經驗内ではありますが、教室内でも日本の教師には無いようなオーラを放っている教師も多いように感じます。ベトナムの教師は威厳がある。日本の教師はベトナムと比較すると優しいと思ます。学生目線に近く考える先生やモンスターペアレンツに強く言えない先生が多いですね。しかし、最近ではベトナムにもモンスターペアレンツが増えていますが。。。。それでも、日本に比べてまだまだベトナムの教師には威厳があり、生徒からの信頼と尊敬があります。


私が体験した教師の日 

先生の日ベトナム1 (1).jpg
踊りを披露する中学校6年生。中学校は4年間あり、6年生から9年生まで。中学6年生は日本の小学6年生と同じ年齢です。 (筆者撮影)

私は2017年に国際交流基金の日本語パートナーズとしてベトナムの中学校と高校に派遣された時からベトナムの先生の日を体験しました。
最初は驚きの連続でした。まず最初の驚きは、ベトナムのイベントでの音量は日本のイベントと比べて「爆音」だという事。人と話す時もスピーカーの音が大きすぎて人と話すときは大きい声にならざるえません。あんな爆音で学校イベントをすることは、日本では100%不可能です。近隣の家からすぐに警察に通報が行くでしょう(笑)。しかし、そのような爆音の中でも、美しいアオザイを着た先生方に花束を渡そうと多くの生徒が集まる風景はとても美しいんです。これは素晴らしいベトナムらしさの一つと思います。

先生の日ベトナム3 (1).jpg
生徒からもらう花束はとてもうれしいです。  (筆者撮影)

ベトナムで教師という職業は、最近はモンスターペアレンツの増加などもあるし、公務員なので給料も低く(ベトナムの公務員の給料はとても低いんです)(上手に副業で高収入を得ている教師もいますが)、大変な職業の一つです。しかし、今の日本の教師よりやりがいがあると感じています。時代の変化が早いベトナム、個人的にベトナムの学校に望むことは、教育方法も含め、先進的な教育法を取り入れ、またはベトナム流に発案して、欧米の真似ではないベトナムらしい教師の在り方・学校の在り方を模索して、より生徒の能力を伸ばして欲しいと願っています。

 

Profile

著者プロフィール
ヨシヒロミウラ

ベトナムハノイ市在住。北海道江別市出身。武蔵大学経済学部経営学科卒業。2017年に国際交流基金日本語パートナーズとしてハノイに派遣。ベトナムの人々と社会に魅了されベトナム定住。現在進行形のベトナム事情を執筆。ベトナム情報ブログ「ベトナムの日本人」と北海道江別市の情報サイト「江別市民ニュース」も運営。ベトナムハノイ市の日本食ネットスーパー「アクルヒハノイネットスーパー」応援係。えべつ観光特使として北海道江別市の納豆をベトナムへ輸出コーディネイト。ベトナムと日本・北海道を繋げる。ツイッター @yoshihiro_x

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