World Voice

ドイツの街角から

シュピッツナーゲル典子|ドイツ

小さな東京、大きな熱気!ドイツ・デュッセルドルフで満喫する日本ウィークと日本デー2025現地レポ

「日本デー2025」----約60万人が集まった「日本の1日」

newsweekjp_20250611091851.jpgFoto: Visit Düsseldorf

5月24日に行われた第22回「日本デー」では約60万人が来場し、欧州最大級の日本文化祭としてデュッセルドルフの街を熱気で包んだ。この日は、文化交流のハイライトとして和食、アニメ、日本文化ファンが心待ちにしているイベントとして知られる。ブルクプラッツに設置された舞台では伝統的な酒樽割りによる乾杯と共にフェスティバルがスタートした。

newsweekjp_20250611091931.jpgデユッセルドルフの姉妹都市・千葉県のスタンドにて Foto: norikospitznagel

ライン川沿いの遊歩道や広場には約90のブースが並び、茶道、折り紙、和装、工芸などの伝統文化に触れられるほか、アニメ・漫画・Jロックといった現代日本カルチャーも体験できる空間が広がった。

あいにく雨で寒い日だったが、どれも無料で体験できることもあり、相変わらず大賑わいだった。ファンの熱い想いを体感したと同時に、人気の高さをつくづく思い知らされた。

newsweekjp_20250611092005.jpgFoto: Visit Düsseldorf

夜にはアニメソングで知られるJロックバンド「ReaL」によるライブパフォーマンスが行われ、ライン川の夜空を華やかに彩る日本式の花火ショーがフィナーレを飾った。今年の花火のテーマは「Exploring Japan - A night sky full of magic」。例年通り、日本人花火師・久保田秀樹氏による演出で、WDR(西部ドイツ放送)により生中継もされた。

日本デーは、2026年も開催される予定だ。(今のところ日時は未定)

経済連携へも波及----持続可能な未来へ共に

文化だけでなく、日独の経済交流にも注目が集まっている。5月26日には、「日本ビジネスデー」が開催され、水素エネルギーを中心とした持続可能な経済モデルに関する議論が行われた。参加者には、企業経営者、学術機関、行政関係者などが名を連ね、ビジネス面での連携強化も図られている。

文化は、異なる世界を結ぶ絆

newsweekjp_20250611092116.jpgFoto: Visit Düsseldorf

市内の多くの美術館や劇場、商業施設、行政が連携し、日本文化の多面性を紹介する日本ウィークと日本デーは、今や単なる文化行事にとどまらない。都市の国際戦略としても位置づけられ、観光促進、国際知名度向上、文化経済の発展、そして訪問者の長期滞在促進といった成果が期待されている。今回の日本ウィークと日本デーは、その象徴的な取り組みといえるだろう。

「文化」は、国と国を結ぶ経済以上の絆。

今やデュッセルドルフは単なる日本人の多い街としてだけはなく、日本文化を世界に発信するプラットフォームとして進化している。これからも、「ヨーロッパにおける日本文化の中心地」としての地位を強化し続けていくに違いない。

取材協力・デュッセルドルフ観光局

 

Profile

著者プロフィール
シュピッツナーゲル典子

ドイツ在住。国際ジャーナリスト協会会員。執筆テーマはビジネス、社会問題、医療、書籍業界、観光など。市場調査やコーディネートガイドとしても活動中。欧州住まいは人生の半分以上になった。夫の海外派遣で4年間家族と滞在したチェコ・プラハでは、コンサートとオベラに明け暮れた。長年ドイツ社会にどっぷり浸かっているためか、ドイツ人の視点で日本を観察しがち。一市民としての目線で見える日常をお伝えします。

Twitter: @spnoriko

Archives

このブロガーの記事

あなたにおすすめ

あなたにおすすめ

あなたにおすすめ

あなたにおすすめ

Ranking

アクセスランキング

Twitter

ツイッター

Facebook

フェイスブック

Topics

お知らせ