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ドイツの街角から

シュピッツナーゲル典子|ドイツ

侮辱発言ばかり目立つ東京オリンピック ドイツから見た3つの懸念

福島原発事故から今年で10周年を迎えた。毎年3月11日前後になると、ドイツメディアは当時の福島の映像を流し、悲惨な様子を伝えている。

今年のニュースでは、「放射線汚染水は山積みされたままで今だに処理されていない、汚染水は海水へ流す予定だ」という報道があり、ドイツ市民は耳を疑った。海水に流すことで汚染水は薄まるかもしれないが、水中に生息する魚介類に莫大な被害が及ぶのは明白だ。

ドイツ政府は福島原発事故を発端に、エネルギー政策の方向転換を決め脱原発を声明した。それまでメルケル首相は原発擁護派だったにも関わらず、2022年12月末までに原子力発電の停止を推し進めた。

そして3月20日、宮城県沖を震源とする震度5強の地震があり、ドイツでも大きく報道された

この地震に対し、ドイツ代表選手の感想はメディアでは見当たらないが、地震がほとんどないドイツから訪日する選手にとって不安は拭えないに違いない。日本の地震を何度も体感したことのある筆者でさえ、一時帰国中に地震が発生すると、福島原発事故を連想してしまい慌てふためいてしまう。

言葉も理解できない国外からの旅行者ならなおさらのこと、地震が予測できないだけに恐怖もあるだろう。

チェルノブイリ原子力発電所事故は1986年に発生した。あれから35年過ぎた今も、ドイツには当時の放射線汚染が土壌に残存している。原発事故現場から1500㎞以上離れた南部の黒い森地方で採れたキノコ類は、今も汚染が確認されており、食することが禁じられている。

万全の準備と対策をとって行われるだろう東京オリンピック。まずは無事に開催されることを祈るばかりだ。

 

Profile

著者プロフィール
シュピッツナーゲル典子

ドイツ在住。国際ジャーナリスト協会会員。執筆テーマはビジネス、社会問題、医療、書籍業界、観光など。市場調査やコーディネートガイドとしても活動中。欧州住まいは人生の半分以上になった。夫の海外派遣で4年間家族と滞在したチェコ・プラハでは、コンサートとオベラに明け暮れた。長年ドイツ社会にどっぷり浸かっているためか、ドイツ人の視点で日本を観察しがち。一市民としての目線で見える日常をお伝えします。

Twitter: @spnoriko

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