World Voice

ミャンマーでエンタメとクリエイトする日々

新町智哉|ミャンマー

第4話「アウン・サン・ザ・ムービー」に出演した日本人たち

公式FBページより

No.4:「アウン・サン・ザ・ムービー」に出演した日本人たち

皆さんこんにちは。
連続シリーズとして映画アウンサンについて書いているところでビックリなニュースが入ってきました。

将軍の映画製作、市民感情の懐柔へ継続表明

今後一体どのような形になってゆくのか?
ニュースについて今、あれやこれやと言うつもりはありませんが、いち出演者としてはその辺りの今後について監督さんと話しをさせてもらえないですか?とバカなフリをして聞いてみたいとは思ったりもしますがそのあたりはモゴモゴしておきます。

今回は第4弾ということなので前回までの投稿をご覧になっていない方はそちらを先に読んでいただければと思います。

「アウン・サン・ザ・ムービー」に出演した日本人たち

続:「アウン・サン・ザ・ムービー」に出演した日本人たち

第3話:「アウン・サン・ザ・ムービー」に出演した日本人たち


それでは昨日の続きです。

「坊主にして髭を生やして欲しい」
これが出演にあたっての条件でした。
「一兵卒ならわかるが、それなりの位の人はその限りではないとは思うけど」
という思いはありましたが、製作陣からそういうわれるのであればやりましょう、坊主でも髭面でも。
最後に坊主にしてたのは中学の時の野球部以来なので、実に25年ぶりの坊主になります。
そして、お祭り好きなオーディション仲間達が
「だったらみんなで頭を刈るイベントにしよう」
という完全に悪ノリを企画したのでそれにのっかってみんなで揃って同じ日にバリカンを買ってきてもらって頭を刈りました。


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某所にて

しかし、撮影自体、実はまだまだ先の予定なのです、この時はハッキリとはわからなかったんですが、10月末から11月以降といういう感じでした。
この時はまだ9月中旬。
じゃあなんでこんな時に?
となると思いますが、それが9月24日に行われる会見に出てもらうためという事でした。
みんな頭を丸めた状態で、しかも浴衣で来てくれと。

そこは監督的には演出で、日本人が団体でそうしてくれたら盛り上がるからという事でした。
私はまあこんな仕事ですから、別に頭を丸めようが髭を伸ばそうが大丈夫ではあるんですが、基本みんなそれぞれの仕事があるので突然坊主にしてってのは中々大変だっただろうなと思います。

絶対何かあったと思われるので(笑)
そして、この時期、ヤンゴンで、決して多い訳ではない日本人界隈で突然10人以上の大人たちが坊主にするという不思議な現象が起こりました。
ヤンゴンには愉快な人が多いということでしょう。

そして私たちは9月24日に撮影祈願イベントとしてまず午前中にシュエダゴンパゴダに行きました。
この時はスー・チーさんこそいませんでしたが、監督を含め関係者が沢山来ていてそして報道陣なども多く、あまりの出来事に驚いていたのを覚えています。
「本当に凄い映画に参加することになるんだな」と感じました。
「スー・チーさんが参加するかも」
という話もありましたが、忙しい方ですし、期待はせずにはいられないですが、しすぎないようにとは考えていました。

地元メディア1.jpg

ミャンマー地元メディア掲載写真より

会見はなんとノボテルホテルのボールルーム。
ミャンマーの会場の中でもトップクラスのところです。
これはもう製作サイドの本気度も伝わろうというもの。
これまでの私のミャンマー生活の中で最も多い報道陣の人間で溢れていました。
しかも私は取材する側ではなく一応される側なので緊張感も高まります。

しかし、しかしです。
実際この時私はおろか他の日本人でこの会に出席した誰一人として、まだ役が何かは聞かされていませんでした。
後にわかる事ですが、それは知らされていなかったのではなく、本当に決まっていなかったのです。
そう、本当に出演するかどうかも、です。

これは今考えても中々冷や汗ものだなと思います。
実際私は出演することができ、しかも分不相応にもそれなりの重要な役をいただけたので良かったのですが、残念ながら出演がならなかった仲間もいます。
という事で、この時、一緒に出席していた日本人仲間は皆どういう面持ちでいたら良いのかが難しい中、何とか体裁を保ちつつ収まっていた感じがしました。

そうは言っても。
そうは言ってもです。
もしスー・チーさんと会えるという事になるのであればその全てを差し引いたとしても物凄い経験になることは間違いありません。
一目見るという事は長いミャンマー生活であれば勿論チャンスはあるとは思うのですが、話をする機会となれば日本人の中でも中々訪れない機会だとは思います。
ただし、性格には私が直接話すという事は出来ませんでしたが。

大きな会場で、私たちは一つの丸いテーブルを用意されそこにまとめて座ります。
会場には衣装が飾られていたり、有名な役者さんがいたりとあったのですが、この時全ての意識はスー・チーさんがいつ来るのかどうかでした。
今か今かと待ってはいたのですが、その時は突然訪れました。
そしてスー・チーさんが来られたのは会場の空気が一気に変わったのですぐにわかりました。
慌ててスマホのカメラを構えて撮ったのがこの動画です。

ミャンマー国家最高顧問であり、NLDの党首。
間違いなくミャンマーでもっとも有名な人であるアウンサンスーチーさんをこれだけ間近に観る事が出来た瞬間でした。
この映画には是非とも成功して欲しい。
そう強く思わずにはいられない体験になりました。

続きます。

 

Profile

著者プロフィール
新町智哉

映像プロデューサー。2014年からミャンマー最大都市ヤンゴンに在住。MAKE SENSE ENTERTAINMENT Co.,Ltd. GM。日緬製作スタッフによる短編コメディ「一杯のモヒンガー」でミャンマーワッタン映画祭のノミネートを皮切りに世界各国の映画祭で受賞。起業家、歌手、俳優としてもミャンマーで活動する。

Twitter:@tomoyangon
Instagram:tomoyangon
note:https://note.com/tomoyaan

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