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ミャンマーでエンタメとクリエイトする日々

新町智哉|ミャンマー

第3話「アウン・サン・ザ・ムービー」に出演した日本人たち

映画アウンサン公式FBページより

今回の記事はシリーズ3話目です。
まだこれまでの話を読んでいない方は

「アウン・サン・ザ・ムービー」に出演した日本人たち
https://www.newsweekjapan.jp/worldvoice/shimmachi/2021/05/post-18.php

続:「アウン・サン・ザ・ムービー」に出演した日本人たち
https://www.newsweekjapan.jp/worldvoice/shimmachi/2021/05/post-20.php


を先にお読みください。
それでは続きです。


監督から声をかけてもらった事で「いけるかも」という期待はさらに大きくなったところではあるが、にしても本当に映画の中身についてなどは謎が多かったので手探りな中、まずは面接といった感じで色々と質問に対して答えていく流れになった。
最初は監督も英語で話してくれていたが(監督は英語が堪能です)たどたどしい受け答えしか出来ない私を見かねて日本語が話せるお世話係の方が通訳を入れてくれた。

このオーディションに先立って簡単な自己紹介の書類は送っている。
ちょうど、映画祭と新婚旅行を兼ねたスペインに居た時で、旅行先からデータで送ったものだ。
何を書いたか自分でもよく覚えていないが、少しでもと思ってアピールしまくったような記憶がある。
どちらにしろこのオーディションで全てが決まるのか。
さぐりさぐり監督や、脚本家の方々などと会話を進めていく。

というところで演技をする流れになった。
これは勿論想定していた流れだ。
それっぽいシチュエーションを与えられて即興でやるという思ったよりレベルの高いことをやらされるんだな、こんなの未経験の人はクリアできるんだろうか?
そんな事を考える余裕はなかった。
与えられたお題は「上官が部下を叱るところ」というもの。
日本語で良いという事だったので、パッとセリフを考えて演技をした。
ここで延々とセリフを考え続けるよりは出たとこ勝負の方が良いと思ったのでやりながらセリフを考えるくらいの勢いでやってみた。

そういえば演技何て物凄い久しぶりだったけど、身体が覚えていたのか、自分で思っている以上にやれた気はした。
反応は凄く良い感じだった。
特に監督が「彼はちゃんと目でも演技している」と言ってくれたのは嬉しかった。
確かに何人もの部下の兵士が並んでいるのをイメージして、確か最初に「静粛に」みたいな号令をかけた後、ゆっくり兵士たちを見まわしてから話し出すようにしたように思う。

考えてやったというよりはイメージに身体が引っ張られたというような感じだった。
実は、若い時に役者を目指して訓練していた方法が特殊な方法で、その時はそのメソッドをキチンと自分のものに出来る前に色々あって活動を辞めてしまったのだが、ここでそれが凄く活きたと思う。
15年以上前に受けた訓練が時を経てこんなとことで役に立つとは。
人間なんでもやっておくものだなと思った。

1分程の即興演技の後、また更に色々と質疑応答などをした。
ここからは役の事や映画のことというよりはスケジュールをどれだけ取れるか、そもそもの仕事との兼ね合いなどと調整できるのかなどの話がメインだった。
ハッキリ言って私の場合は、良い役がもらえるのなら時間はいくらでも作るつもりで、実際それは充分可能だった。

ここも他のメンバーよりはアドバンテージがあるなとは思っていたが、後は日本人用にどんな役が用意されているのか、そして見た目も含めて私はどの役に当てはめられそうなのか。
それを確かめる為の会話だったのだろう。
手応えはあった。

基本的に今回オーディションに参加した人の中では恐らく一番演技経験があったのでそういう意味では役が沢山あるのなら受かるのは受かるとは思っていたが、この手応えなら中々の役がもらえるんじゃないだろうか?
無事オーディションを終えて部屋を出て待合室に戻ったら、待っていた仲間に
「こっちの部屋まで声が聞こえてきてたよ」
と言われた。

まだまだしっかり声も出るんだなと。
軍人役だったので腹から声を出さないととは思っていたけど、間の大きな部屋を飛び越えて待合室まで聞こえていたとは。
みんなから「これは決まりでしょ」というような事を言ってもらえたのは嬉しかったが、変なフラグにならなければ良いなと思った。
これだけ持ち上げられてオーディション落ちなら物凄いカッコ悪いなと、謙虚に結果を待とうと気を取り直しました。

その後、他のメンバーたちもつつがなくオーディションは終わり、その日は打ち上げというか、壮行会のような形で私たちの世話係の人たちがみんなをご飯に誘ってくれた。
私の奥さんももし良かったらという事になって、一度家に帰ってから一緒にローカルのビアガーデンのような店でみんなで食事会をした。

この時はまだみんな役も決まっていない状態ではあったが、今回の企画を中からみている世話係の人の話を聞いてると、スケジュールさえ合うのならみんな何がしかの役はあるというような話が出ていたので皆俄然盛り上がった。
とはいえこれは後にオーディション参加者の中でも明暗を分ける事態へとなっていく。

そしてこの食事会の時にその後、私が更なる映画企画を立てるキッカケになる出来事が起こるのであった。

というところで続きはまた明日。

 

Profile

著者プロフィール
新町智哉

映像プロデューサー。2014年からミャンマー最大都市ヤンゴンに在住。MAKE SENSE ENTERTAINMENT Co.,Ltd. GM。日緬製作スタッフによる短編コメディ「一杯のモヒンガー」でミャンマーワッタン映画祭のノミネートを皮切りに世界各国の映画祭で受賞。起業家、歌手、俳優としてもミャンマーで活動する。

Twitter:@tomoyangon
Instagram:tomoyangon
note:https://note.com/tomoyaan

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