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南米街角クラブ

島田愛加|ブラジル/ペルー

2年ぶり、リオのカーニバル開催!!参加した小柳えめりさんにインタビュー

2年ぶりに開催されたリオのカーニバルに参加した日本人打楽器奏者の小柳えめりさん(本人提供)

ブラジルの「良いニュース」として、日本の報道で毎年取り上げられるリオのカーニバル。
華やかな衣装を身にまといサンバのステップを踏む女性の姿が、ブラジルのイメージへと繋がっているだろう。

ブラジルに住んでみると、カーニバルの素晴らしさは、あの数秒間映されるダンサーの何百倍もあることに気づくと同時に、カーニバル嫌いや宗教上カーニバルを祝わない人もいるから驚いた。

また、日本で報道される"カーニバル"というのはリオとサンパウロの専用会場で行われる入念に準備されたコンテスト式のものであり、ブラジル全体で見るとストリート・カーニバルと呼ばれる当日自由参加できるものが主流だ。

いずれにせよ、カーニバル参加者はもちろん、参加しない人にとっては大型連休となるため、ブラジルにおいて非常に重要なイベントである。

本来ならば2月末から3月初旬にかけて行われるカーニバルだが、2021年に新型コロナウイルスの影響で各地のカーニバルの中止が発表。
コンテスト式カーニバルの参加者は、たった一夜のために何ヶ月もかけて準備を行い、カーニバルが終わると数ヶ月の休みをとってからまた練習を再開する。
そのためカーニバルを中心に一年のサイクルができている彼らにとって、中止は年明けが来ないようなものだった。

先述した通り2021年は中止。
2022年、ストリート・カーニバルは中止されたが、リオとサンパウロのコンテスト式カーニバルは2月中旬に開催予定だったものの、オミクロン株の影響で4月の連休に延期となる。
発表後も更なる延期や中止が懸念されたが、新規感染者も減少傾向にあり無事に開催された。

|2年ぶりのリオのカーニバル

4月20日から、無事にコンテスト式のカーニバルがスタート。
エスコーラ・ジ・サンバと呼ばれる共同体が、それぞれのテーマを元に表現する非常に芸術的なパレードである。
選ばれるテーマはブラジルの歴史や重要人物、哲学的な思想から人種や性における社会問題など様々で、音楽、演出と振り付け、衣装、山車、近くに行かないと見えないような小さな部分までにも拘りがある。

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2015年、サプカイの様子(photo by Aika Shimada)

リオのコンテストでサプカイと呼ばれる専用の会場に出演できるのはスペシャルグループとゴールドグループの2つのみで、スペシャルグループの最下位とゴールドグループの優勝チームが毎年入れ替わる。
見た目の美しさやテーマの忠実な表現だけでなく、時間通りにパレードを進められているかまで採点に関係しており、非常に厳しい審査の中で優勝を争うため、報道で写し出される花形ダンサーだけでなく、その周りでタイムキープをする人まで、参加している一人ひとりが重要な役割を果たしているのだ。

|カーニバル参加者の声

今回、2年ぶりのカーニバル開催が国内ニュースで報道され、参加者はこう答えた。

「今年の参加チームは全て優勝に値します。その中での優勝チームは真の勝者です。」

彼らの気持ちを想像するだけで感極まってしまう。
今回、このカーニバルに実際に参加した日本の打楽器奏者、小柳えめりさんに話を聞くことができた。
彼女は日本の音楽大学を卒業後、ブラジル滞在を重ねる間に「他国の文化を根から学ぶには語学から勉強したい」と、2020年1月から語学留学のためリオデジャネイロへ渡る。
数多くの有名音楽家を送り出した事でも有名なVila Isabel(ヴィラ・イザベル)という伝統あるチームに打楽器隊として練習に参加し、2021年のカーニバルに出演予定だった。

Profile

著者プロフィール
島田愛加

音楽家。ボサノヴァに心奪われ2014年よりサンパウロ州在住。同州立タトゥイ音楽院ブラジル音楽/Jazz科卒業。在学中に出会った南米各国からの留学生の影響で、今ではすっかり南米の虜に。ブラジルを中心に街角で起こっている出来事をありのままにお伝えします。2020年1月から11月までプロジェクトのためペルー共和国の首都リマに滞在。

Webサイト:https://lit.link/aikashimada

Twitter: @aika_shimada

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