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平野美紀|オーストラリア

豪ビクトリア州で壊滅的な森林火災、シンガポールの面積の5倍以上が焼失

ビクトリア州で深刻な森林火災が発生、2019-2020年の大規模森林火災よりも多くの家畜が犠牲になっている。(7NEWS Australia 公式YouTubeより)

新年を迎えたばかりの1月初め、オーストラリア南東部に深刻な熱波が襲来。7日には、ビクトリア州の首都メルボルンの気温は41.1℃まで上昇した。州内では、2025年に雨が少なかった影響で乾燥していた森林で火災が発生、あっという間に1,000ヘクタールを焼き尽くした。

気象局のデータによると、昨年のビクトリア州の降水量は長期観測の年間平均である550~650mmに比べ、わずか60~70%の約380mmだったというから、相当乾燥していたに違いない。

そして、気温の上昇と共に各地で火災が発生。火の勢いはとどまるところを知らず、状況は悪化する一方で、7日の午後6時過ぎには、メルボルンの北、約150kmのロングウッドで今夏初の避難勧告が発令された。

翌日の8日になっても州内各地で消火活動は続き、当局は『壊滅的な火災危機』を宣言。これは、2019-2020年にオーストラリア各地で大きな被害をだした大規模森林火災以来のことで、ビクトリア州全域の24の区域の住民に対し、直ちに避難するよう求めたほどだ。

ビクトリア州の深刻な森林火災について伝える豪7ニュース・メルボルン支局の公式 X(エックス)。

強風に煽られて火の手はおさまらず、これまでにビクトリア州全体で、シンガポールの面積の5倍以上となる40万ヘクタールが焼失。250棟以上の家屋を含む900棟近くの建物が破壊され、1人の農場主と約2万頭の家畜、そして、数え切れないほどの野生動物が犠牲となった。

家畜に関しては、今年に入ったこの数週間だけで、2019-2020年の大規模森林火災よりも多い数が犠牲になっているという。(参照

この1月早々に45℃超えを記録し、ビクトリア州各地で森林火災を引き起こした熱波は、1月10日にはシドニーに到達。海に面していて比較的涼しいシドニー中心部でも43℃近くまで上昇した。

ペンギン・パレードで有名な「フィリップ島」や風光明媚な観光地「グレート・オーシャン・ロード」でも被害

ペンギン・パレードで有名な「フィリップ島」でも火災が発生中だ。一旦は鎮火に至るところまでいったものの、18日の日曜日に再び火の勢いが強まり、島内のコアラ・パークまで火の手が近づいているという。消防士たちは夜も寝ずに消火活動に当たっているそうだ。(参照

また、美しい海岸線と「12の使徒」と呼ばれる切り立った奇岩で人気のオーストラリアの観光名所「グレート・オーシャン・ロード」のあるエリアでも、大規模な森林火災が発生。グレート・オーシャン・ロード地区には、野生のコアラが数多く生息しているが、火傷を負うなどして救出された個体も多く、今回の森林火災によって再びかなりの生息域が奪われてしまったという。

グレート・オーシャン・ロードでは、火災が鎮まりつつある中、今度は1時間に170mmという激しい雷雨に見舞われ、川が氾濫。記録的な大雨となったことで洪水や鉄砲水が発生し、当局はローン地域に対し、緊急警報を発令。住民たちは再び避難をせざるをえなくなったというから、なんともやるせない...。(参照

現在もビクトリア州だけでなく、南オーストラリア州をはじめとする国内各地で深刻な火災が起きており、被害はさらに広がるとみられている。次から次へと襲い掛かる自然の脅威を前に、人間はほとんど成す術がないことを思い知らされるばかりだ。〈了〉

 

Profile

著者プロフィール
平野美紀

6年半暮らしたロンドンからシドニーへ移住。在英時代より雑誌への執筆を開始し、渡豪後は旅行を中心にジャーナリスト/ライターとして各種メディアへの執筆及びラジオやテレビへレポート出演する傍ら、情報サイト「オーストラリア NOW!」 の運営や取材撮影メディアコーディネーターもこなす。豪野生動物関連資格保有。在豪23年目。

Twitter:@mikihirano

個人ブログ On Time:http://tabimag.com/blog/

メディアコーディネーター・ブログ:https://waveplanning.net/category/blog/

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