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バーレーン王国発・アラブ産油国の日常

福田健人|バーレーン

バーレーンはイスラエルとの和平に動くか

それでも、バーレーン政府は、多くのアラブ諸国が伝統的に守ってきた「アラブの大義」(反シオニズム、親パレスチナ)に連帯するため、表立ってイスラエルとの関係をアピールすることはしてこなかった。しかし、UAEが湾岸諸国で初めてイスラエルとの和平合意に至ったことで、バーレーンはイスラエルとの和平に反対する多くの中東諸国やパレスチナ政府と距離を置き、同日中にUAEの姿勢を評価する声明を発表している。

私がバーレーンにいて常々感じていることだが、実は、バーレーンではイスラエルとの和平交渉に賛成する意見は少なくない。ビジネスの場においても、私の知人が勤めるバーレーン企業をはじめ、政府間合意を待たずしてイスラエル企業との契約をすでに締結している企業も出てきている。イスラエルとの交流促進によって中東のハブとしての地位を強化したいUAEにとってはもちろん、産業構造の多角化のためにICTやフィンテックなどの領域を強化したいバーレーンにとっても、IT先進国のイスラエルと協力関係を結ぶことによって得られる国益は計り知れない。

国内の治安を制御しやすいUAEとは違い、反政府勢力によるデモの過激化などの治安悪化のリスクを背負ってまでイスラエルとの関係を強化するかはまだ判明しないが、少なくとも、大統領選を控えるアメリカのトランプ政権は、米国の政権支持者を意識し、アラブ諸国とイスラエルとの和平協定の締結に非常に積極的だ。今回のポンペオ氏の訪問から間もなく、9月上旬にはクシュナー大統領上級顧問もバーレーンで会談をもつ予定で、イスラエルとの和平に同意するようアメリカ側が本格的にテコ入れしていることは確実のようだ。今後のバーレーンの動きから目が離せない。

 

Profile

著者プロフィール
福田健人

コンサルティング会社Prozone Bahrain(バーレーン王国)のDirector/Co-Founder。73カ国を渡航したのちバーレーン王国に移住。Instagram、YouTubeでそれぞれ1万人以上のアラブ人フォロワーを集める。
Instagram: @khalid.japan
Email: kento.fukuta@prozonebh.com

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