コラム

トランプ、南部国境で「非常事態宣言」 移民流入と対テロ戦争の交錯

2025年01月27日(月)11時12分
トランプ「南部国境に非常事態宣言を発出」対テロ戦争と移民対策の関係性

Bartolomiej Pietrzyk -shutterstock-

<4年ぶりにトランプがホワイトハウスに戻ってきた。トランプ政権におけるテロ対策は外交・安全保障というより、治安・国土安全保障を強く意識したものとなるだろう>

昨年秋の大統領選では、トランプ大統領が激戦7州を全て制してハリスに勝利し、同時に行われた連邦議会選挙でも上院と下院で共和党が多数派となったことで、トランプ圧勝という文字が先行している。

しかし、両氏の獲得票数で言えば決して圧勝という言葉は適切ではなく、来年秋の中間選挙を見据え、トランプ大統領にとってまずはこの1年半の政権運営が重要となる。


対テロの優先順位は高くない

トランプ大統領は米国を再び偉大な国家にするため、関税などを武器に諸外国から譲歩や利益を最大限引き出し、外国が持つ負担による米国への影響を最小限に抑え、米国の政治的安定や経済的繁栄を確保、強化しようとする。

また、諸外国の中で米国が特別な国家であることを維持するため、諸外国に対する米国の優位性を確保しようとし、特に中国に対する優位性確保を意識している。

これに照らせば、トランプ大統領は内政を基本としつつ、外交では対中国を最重要課題とし、自らのレガシー作りの一環としてウクライナや中東などの紛争に対応していくことになり、対テロの優先順位は高くないと捉えられる。

プロフィール

和田 大樹

CEO, Strategic Intelligence Inc. / 代表取締役社長
専門分野は国際安全保障論、国際テロリズム論、経済安全保障、地政学リスクなど。海外研究機関や国内の大学で特任教授や非常勤講師を兼務。また、国内外の企業に対して地政学リスク分野で情報提供を行うインテリジェンス会社の代表を務める。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

昨年の関税合意実施を米と確認、日本が不利にならない

ビジネス

米国株式市場=続落、ダウ453ドル安 原油高と雇用

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、スイスフランに逃避買い

ビジネス

米、45日以内にトランプ関税還付システム準備 徴収
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国はイランを見捨てた? イランの「同盟国」だったはずの中国が、不気味なまでに静かな理由
  • 2
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示さない
  • 3
    10歳少女がライオンに激しく襲われる...中国の動物園で撮影された「恐怖の瞬間」映像にネット震撼
  • 4
    「みんな一斉に手を挙げて...」中国の航空会社のフラ…
  • 5
    「巨大な水柱に飲み込まれる...」米海軍がインド洋で…
  • 6
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 7
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 8
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 9
    アルツハイマーを予防する「特効薬」の正体とは? …
  • 10
    【イラン戦争で中東再編へ】トランプを止めるのは湾…
  • 1
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 2
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズった理由
  • 3
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 4
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 5
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 8
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 9
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 10
    「若い連中は私を知らない」...大ヒット映画音楽の作…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story