最新記事
日本社会

育休を取得しても育児をしない夫!? 日本の男性の育児分担率は国際比較で見て最低

2026年3月18日(水)11時30分
舞田敏彦 (教育社会学者)
男性の育休取得

育児休業は男性も育児を分担するための制度だが photoAC

<就学前の子どもがいる家庭の男性の育児分担率は24%にとどまり、育休を取得してもバカンスのように過ごす夫も>

生後1歳(最長2歳)までの子を持つ労働者は、申し出により育児休業を取得できるのだが、日本の男性の育休取得率は低い。2020年の調査によると、直近の子が生まれた時、育休を取ったという男性はわずか18%で、期間も8割以上が「2週間未満」というありさまだ(内閣府『少子化社会に関する国際意識調査』)。

育休を取らない理由で最も多いのは「業務繁忙」で、その次は「会社に育休の制度がない」となっている。1番目はともかく、2番目は明らかにおかしい。法で定められている育休制度は全ての労働者に適用されるのであって、「ウチのような零細企業にはない」などの言い分は通用しない。


こういう状況もあってか、日本の男性(父親)の育児分担率は低い。就学前の子がいる男女の平均育児時間(週当たり)を計算すると、男性が13.3時間で女性が42.1時間(2022年のISSP調査)。男性の育児分担率は、13.3/(13.3+42.1)=24.0%となる。育児分担の割合は「夫1:妻3」で、4分の3を妻が担っている。

newsweekjp20260318015647.png

同じやり方で男性の育児分担率を国別に算出し、高い順に並べると<図1>のようになる。日本の数値は、データがある21カ国の中で最も低い。他国と比較して、育児の負担が妻に偏っている。

「夫は普段通り、バリバリ働いてお金を稼いでくれた方がいい」「夫婦の役割分担、大いに結構」という意見もあるだろうが、育児は夫婦が協働して行うことが望ましい。家に籠って妻が一手に育児を担うとなると、どうしても育児ストレスが高じてくる。今は共稼ぎが主流だが、育休を満了し仕事に復帰した後、「仕事+育児(家事)」のダブルの負担が妻にのしかかる。妻が仕事に復帰したら、夫が急に育児を分担するようになるなど、そうあることではない。上の子に対して、母親だけが乳児の世話に勤しむような、はっきりした性役割分業を見せるのも好ましくない。

夫も育児をするべきであって、育児休業はそのための制度だが、形の上で育休を取らせるだけでよしとしてはならない。家にいても何もせずゴロゴロするだけとか、資格試験の勉強といった関係のないことをするとか、旅行に出かけるとか、育休をバカンスのように考えている男性もいる。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

英・フィンランド・オランダ、防衛巡り共同での資金・

ワールド

米ガソリン価格、1ガロン3.75ドル突破 23年1

ビジネス

トヨタが満額回答、6年連続 26年春闘

ビジネス

ウニクレディトの買収提案額は「極めて低い」=コメル
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在の価値でどれくらい? 誰が何のために埋めた?
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    「ネタニヤフの指が6本」はなぜ死亡説につながったの…
  • 5
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 6
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 7
    「危険な距離まで...」豪ヘリに中国海軍ヘリが異常接…
  • 8
    ガソリン価格はどこまで上がるのか? 専門家が語る…
  • 9
    「目のやり場に困る...」グウィネス・パルトロウの「…
  • 10
    戦争反対から一変...湾岸諸国が望む「イランの脅威」…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 3
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製をモデルにした米国製ドローンを投入
  • 4
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 5
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 6
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 7
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 8
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在…
  • 9
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切り…
  • 10
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中