中東産原油依存に揺れるアジア...日本や各国の現状
ソウルのガソリンスタンドで撮影。REUTERS/Kim Hong-Ji
中東での戦争勃発による未曽有のエネルギー供給寸断を受け、アジアのエネルギー輸入国は中東以外の調達先確保に奔走している。しかし、中東産原油への依存を減らすための長期的かつ現実的な選択肢は限られているのが実態だ。
世界最大の原油輸入地域であるアジアは、原油および石油化学原料の60%を中東に依存している。米国・イスラエルによる対イラン攻撃で始まった戦争は世界のエネルギー価格を押し上げており、インフレを加速させ経済成長に打撃を及ぼす恐れがある。
中東産原油を受け取れなくなった中国から東南アジアに至る製油所は、到着までに数週間から数カ月を要する高価な代替原油を探しており、一部は減産に踏み切っている。中国とタイは石油製品の輸出を停止し、ベトナムは通常オーストラリアへ向かう原油の輸出を差し止めた。
だが、代替的な調達先には距離、製油所の形態、長期契約、コストといった障壁がある。
一例として西アフリカや米大陸から中国への石油輸送には1カ月半から2カ月を要するため、3カ月前に発注する必要がある。これに対し、ホルムズ海峡を経由して中国に到着するまでの期間は約25日だ。
また、油種を変更すると製油所での製品得率(元の原油量に対する石油製品の生産割合)が変わるため、運営方法を変更する必要がある。
コンサルタント会社サリー・クリーン・エナジーのアディ・イムシロビッチ代表は「新しい油種を製油所に投入する場合、カットオフポイント(原油を各製品に分ける境界温度)を変更し、ガソリンのブレンドも調整する必要がある。変えるべきことは多く、重労働だ」と説明。「多くの国で(調達源の)多角化が進んでいないのはこのためだ」と語った。
エネルギー・アスペクツのアナリスト、リチャード・ジョーンズ氏は、一部の政府は微調整としての多角化を模索するかもしれないものの、アジアの多くの製油所は中東との長期契約に縛られているとして「端的に言えば、アジアに到着する中東産原油、日量約1600万バレルを、大西洋盆地(米大陸やアフリカ)の供給で代替することは一部であれ不可能だ」と指摘する。
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