1975が警告する「アジア安保」の未来...トランプの「アメリカ・ファースト」に日本はどう動くべき?

2026年1月28日(水)18時36分
長島昭久 (衆議院議員)

中国の経済改革がアジア経済の起爆剤となるのは、さらに数十年後の話だ。毛沢東後の中国経済は惨憺たる状況で、79年に鄧小平はカンボジア侵攻の「懲罰」としてベトナムに人民解放軍を派遣したが、あっけなく撃破された。

非友好的なソ連と、傷は負ったものの経済的に強大なアメリカが支配する世界で中国が生き残るために、鄧は「改革開放」路線を本格的に推し進めた。

再び見捨てられ裏切られて

アメリカは、日本、オーストラリア、韓国といった忠実な同盟国に加え、最近はインドと戦略的パートナーシップを結び、アジアで強固な立場を築き上げてきた。トランプはなぜ、気まぐれにそれを混乱させ、弱体化させるのか。

その理由の1つは、基本的な安全保障問題までも商業的な交渉と同じように扱おうとする「アメリカ・ファースト」の孤立主義にある。

アメリカとアジアの同盟国の間には、NATO条約第5条のように強固な集団的自衛権や相互防衛の約束はない。しかし、鉄壁に思える(NATO条約第5条の)保証さえ疑うトランプを、アジアの指導者たちは目の当たりにしている。

ベトナム戦争末期のサイゴン陥落でアメリカ大使館が混乱のなか撤退したことや、米中関係正常化が日本に与えた「ニクソン・ショック」のように、決定的な出来事があったわけではない。それでも同じように見捨てられ裏切られたという感覚が、地域全体に広がりつつある。

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