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留学生の学費を上げても、日本の大学は救われない...数字が示す「効果の限界」

NOT JUST A MATTER OF MONEY

2026年1月21日(水)17時30分
木村幹 (神戸大学大学院国際協力研究科教授)

日本の大学が考えるべきは「受け入れ策の拡大」

確かに、イギリスをはじめ留学生に自国の学生より高い学費を課する例は少なくなく、その収入は自らの大学の施設整備などに充てているといわれる。では、同じことを行えば日本の大学の状況が大きく改善するかといえば、そうではない。

日本に来る留学生の学費は安いが

第1に、そもそも日本における留学生数は他の先進国に比べて決して多くはない。イギリスでは全学生に占める留学生の割合は20%を超え、日本の5%という数字はOECD諸国の平均の7.4%を下回っている。第2に、日本の国立大学では、大学全体の歳入に占める学生納付金(入学金、授業料など)の割合が極めて少ない。前述の東北大学なら、1805億円の総収入のうち学生納付金が占める割合は6.6%。1万7975人の総学生数のうち、留学生は10%強の1806人にすぎないから、学費引き上げで得られる追加収入は約6億5800万円、総収入の0.36%にすぎない。

日本の大学が留学生に関して考えるべきは異なる形での受け入れ策の拡大かもしれない。例えば、アメリカやイギリスなどの大学には英語学習のための付設学校がある。韓国の大学も同様であり、約30万人の留学生のうち約8万人の学生が大学付設の語学学校で学んでいる。大学の経営面からいえば付設学校は簡便に設置でき、多くのスタッフを必要としない。大学の教室や寄宿舎に空きが生じる夏休みなどに、短期教室を開くこともできる。

わが国の国際競争力が大きく落ちるなか、留学生の学費を引き上げれば学生数が減ることは目に見えている。弥縫的な政策ではなく、抜本的な留学生政策の再構築が必要だろう。

◇ ◇ ◇

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