日本も他人事ではない...世界で広がる富の世代間格差、「市場の忍耐の限界」はどこにある?
THE GREAT BOOMER BAILOUT
市場の忍耐には限界がある
「重要なのは曲線の形だ」と、アメリカン・エンタープライズ研究所のマイケル・ストレイン経済政策部門ディレクターは9月にIMFの報告書のイベントで語った。「債務のGDP比が現在の水準で安定するように曲線を曲げることができれば、重要な第一歩になるだろう」
こうした事例には共通のパターンがある。社会保障制度は聖域とされ、債務が積み上がり、そのツケを若い世代が払わされるのだ。
例えば、イギリスでは現在、債務の返済が教育関連支出を上回っている。政府が暖房費補助を打ち切ろうとしたのは「曲線を曲げる」試みだったはずだが、給付対象は事実上、拡大されることになった。
世界のシステムは、先進国の債務が安全かつ流動的であることに依存している。そこに疑念が生まれたら、金利の上昇、成長の鈍化、危機に対応する余地が減るという連鎖を招きかねない。「市場は忍耐強いが、限界はある」とソベルは言う。「アメリカが国債を永久に借り換え続けられると見込んでいるなら、投資家の信頼がどれほど急速に揺らぐかを過小評価している恐れがある......請求書はいずれ届く」





