最新記事
米中関係

TikTokをめぐる米中交渉に「解決の兆し」?...売却後も中国はアメリカ向けコンテンツの「制御」が可能

U.S., China Talk Trade and TikTok

2025年9月22日(月)15時05分
ジェームズ・パーマー(フォーリン・ポリシー誌副編集長)
アメリカ国旗と中国国旗を背景に、TikTokのロゴマーク

アメリカでの事業が米企業に売却される見込み ALGI FEBRI SUGITAーSOPA IMAGESーREUTERS

<中国はソフトパワーの源泉を失うものの、アルゴリズムがそのまま利用されれば有利な状況を維持できる可能性も>

中国企業バイトダンス(北京字節跳動科技)が運営する動画共有アプリTikTok(ティックトック)をめぐる米中対立にようやく解決のめどが付いたようだ。トランプ政権は同アプリのアメリカ事業を米企業に売却しなければ国内でのサービス提供を認めないとしてきた。

9月半ばにスペインで行われた貿易協議で、両国は売却に向けた「枠組み」で合意。トランプ大統領は売却期限を12月16日に延期する大統領令に署名した。

売却が成立すれば中国はアメリカでのソフトパワーの源泉を失うが、トランプに恩を売るほうが得策との見方もある。同アプリが今後もバイトダンスのアルゴリズムを使うなら、中国は法を遵守しつつ、アメリカ人向けコンテンツをコントロールし続けられる。

ただし、TikTok問題が進展しても楽観はできない。関税は過去最高水準で、米政府の強硬姿勢も変わらない。貿易協議全般がまとまらなければ、両国ともに経済の先行きは一段と不透明になる。

Foreign Policy logo From Foreign Policy Magazine

ニューズウィーク日本版 ハーバードが学ぶ日本企業
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年9月30日号(9月24日発売)は「ハーバードが学ぶ日本企業」特集。トヨタ、楽天、総合商社、虎屋……名門経営大学院が日本企業を重視する理由

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



食と健康
「60代でも働き盛り」 社員の健康に資する常備型社食サービス、利用拡大を支えるのは「シニア世代の活躍」
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

原子力発電、24年は過去最高も今後減速へ 投資不足

ビジネス

再送-日産、市街地でも手放し運転できる車の走行公開

ワールド

仏・サウジ主催サミット、数カ国がパレスチナ国家正式

ビジネス

ムーディーズ、TDKをA3に格上げ 見通しは安定的
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 2
    筋肉はマシンでは育たない...器械に頼らぬ者だけがたどり着ける「究極の筋トレ」とは?
  • 3
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分かった驚きの中身
  • 4
    トランプに悪気はない? 英キャサリン妃への振る舞い…
  • 5
    「ミイラはエジプト」はもう古い?...「世界最古のミ…
  • 6
    【動画あり】トランプがチャールズ英国王の目の前で…
  • 7
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍…
  • 8
    「より良い明日」の実現に向けて、スモークレスな世…
  • 9
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、…
  • 10
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 3
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分かった驚きの中身
  • 4
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の…
  • 5
    筋肉はマシンでは育たない...器械に頼らぬ者だけがた…
  • 6
    【動画あり】トランプがチャールズ英国王の目の前で…
  • 7
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ…
  • 8
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 9
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、…
  • 10
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 6
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 9
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 10
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中